雨月物語 (1953)
観なくちゃ観なくちゃ、と思いながらもずっと観ていなかった『雨月物語』をAmazon Prime Videoでようやく観た。

いやあ、凄かった。ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した溝口健二監督の代表作だと知ってはいたけど、ここまで凄いとは思わなかった。モノクロ映像の幽玄的な美しさや、ワンシーン・ワンショットのカメラワークの妙がヌーヴェルヴァーグに大きな影響を与えたというのも強く納得。そして、京マチ子の全身から漂う、この世ならざる者の存在感!
実は俺がこの映画を敬遠していた最大の理由は、京マチ子の殿上眉のポスターやジャケットがどうにも滑稽に見えたからなんだけど、いや、全然そんなことはなかった。初登場シーンから既に異界のオーラバリバリなのに、屋敷で源十郎を誘惑する際は妖艶、いや、下手をすると可愛らしくすら見える。そして源十郎の裏切りを知った時の形相は再び異形の存在感。スゴイ。
ストーリーは『雨月物語』の「浅茅が宿」と「蛇性の婬」のエピソードを元に一つの物語として再構築されているので、話が動き出すまでは「あれ?雨月物語ってこんなだっけ?」感はちょっとある。そして、話が動き出してからも描かれるのは人間の、というよりも男の欲望の醜さと愚かさ。いつの時代も男は愚かなのだなあと身に染みる。
一方で、時代背景的な部分や溝口健二の作風な部分もあるのだけど、極めて男性目線の独善的なファンタジーも強く感じた。妻子を捨て若狭との恋に走った源十郎を、死してもなお優しく迎え入れる妻の宮木。藤兵衛が武勲をあげることに夢中となるあまり、野武士達に犯され遊女へと身を持ち崩したにも関わらず、藤兵衛とやりなおす妻の阿浜。この辺の描き方は現代ではありえないなあ、という感じ。多分、現代だったら源十郎は宮木の霊に呪い殺されて無惨な屍を晒すことになるだろうし、藤兵衛は阿浜に残酷な殺され方をすると思う。
ただ、溝口健二監督は人格的な問題のエピソードが多々ある監督なので、自身の幼稚な願望を反映したファンタジーだと分かった上で自嘲的な意味も含めそういう描き方をしたのかな、と思ったりもした。
とにかくまあ、凄い映画だった。4Kデジタル復元版のBlu-ray買わなきゃ。
盤魔殿 vol.42

盤魔殿 vol.42
2022.09.19(mon) at 阿佐ヶ谷TABASA
Open / Start 18:00
Charge ¥1,000+D
ACT : 中川一郎 (ex.絶対零度)
Guest DJ : kihito
DJ : DJ Necronomicon a.k.a.剛田武 / DJ Vaby a.k.a.大場弘規 / DJ Athmodeus a.k.a.持田保 / DJ Qliphoth a.k.a.宇田川岳夫 / DJ Bothis a.k.a.山田遼 / DJ BEKATAROU a.k.a.伊藤元
ニューポ祭り

ニューポ祭り
2022.09.17(sat) at 西荻窪KICK-ASS
Open / Start 19:00
1st Drink ¥1,000
DJ : みどり / migon / kihito / 岡本 / ウエダ / Jonathan / baroshun
Guest DJ : 佐久間達也 (ex.P-MODEL)
[DJ Setlist]
01.Graveyard Symphony by WWF (Undertaker Theme)
02.The Operative by Cabaret Voltaire
03.Isolation by Joy Division
04.Los Ninos Del Parque by Liaisons Dangereuses
05.Last Train by Ghost Dance
06.Over the Hills and Far Away by The Mission
07.Misty Circles by Dead or Alive
08.Somebody Put Something in My Drink by Nosferatu
09.Under Delight by POISON D’HERMÈS
10.Some of This by Bloody Dead and Sexy
11.Searchlights by Xmal Deutschland
ザ・マミー 呪われた砂漠の王女 (2017)
トム・クルーズ主演にもかかわらず、一撃でダーク・ユニバース構想を頓挫させた駄作『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』をAmazon Prime Videoで観た。

まあ、そもそもユニヴァーサル・モンスターを使ってマーベルみたいなことをやろうっていう構想自体に無理があると思うし、ユニバースをやるなら、まずはドラキュラからでしょ?何故ミイラ?という時点でコケる香りはプンプンしていた。だから、俺はユニヴァーサルのホラー映画なのに、劇場にも行かなかった。で、案の定映画は大コケして、ダーク・ユニバース構想はまさかの1作目で中止になったという。そんなわけでBlu-ray新品がAmazonでは1,000円を切る値段で叩き売りされているにも関わらず、俺はメディアも買わずにPrime Videoでようやく観た。
いやー、つまらなかった!ユニバース構想が邪魔をしているのは明白で、ホラー映画なんだかアクション映画なんだかヒーロー映画なんだか、映画のジャンルそのものがよく分からなくなってる。ユニバース構想のためのラッセル・クロウのジキル博士も物語を引っかき回すだけの邪魔な存在でしかない。
加えてトム・クルーズ演ずるキャラクターの性格がいけすかなくて、何を考えているのかもよく分からないから、どうにも感情移入できない。物語自体もご都合主義が随所に見られて、アマネット王女を生き埋めにするための洞窟に棺を引き上げる仕掛けがあることもおかしいし、女王に手下にされた死体はただのゾンビだし、ましてや王女と全く関係のないイギリスの十字軍の兵士達の死体を操れるというのもおかしな話だし、何だかもう、しっちゃかめっちゃか。
ネットの評判を見ると『ハムナプトラ 失われた砂漠の都』は良かったって声も多いけど、俺からすればいや、あれも『ミイラ再生』(1932)には程遠い駄作だったでしょ?という。何でユニヴァーサルのミイラ男のリメイク/リブートはこう毎回ダメなんだろうねえ。
SONY PS-LX310BT
最近のレコードプレーヤーはBluetoothを搭載していてワイヤレスで音を聴けるらしい。何とまあ。と、なればLPをあえてワイヤレスで聴いてみたくなるのが人情ってもん(笑)というわけでSONYのPS-LX310BTを買ってみた。

本日届いたので、早速組み立て。プレーヤー本体には確かにBluetoothボタンがついてるし、背面にはUSBの出力端子もある。おおお、何かアナログなのにデジタルでわくわくする。我が家のリビングのオーディオシステムにはBluetoothレシーバーをつけているので、そこから音を出してみるつもり。
本体のBluetoothボタンを2秒ほど長押しすると、青いランプが点滅して、しばらくすると点灯に切り替わってペアリング完了。本当にワイヤレスでLPが聴けるのかねえ?と恐る恐るレコードをタンテに置いて再生してみる。
わあ。本当にワイヤレスでレコード聴けた!(当たり前だ)
凄いな。何かちょっと感動(笑)
続いてUSBケーブルでPCと繋いでみる。ちゃんとクリアにPCでも再生できる。つまり、そのままPC側でそれを録音することができる。これは便利。うん、これで我が家の残りのアナログ資産をどんどんデジタル化して行こう!
■駆動方式:ベルトドライブ
■出力端子:RCA、USB2.0(タイプB)
■ワイヤレス接続:Bluetooth
■本体サイズ:430mm(W)×108mm(H)×367mm(D)
■質量:約3.5 kg
第二回 ドキッ☆男だらけのホラー映画観賞会
2020年にやったドキッ☆男だらけのホラー映画観賞会再び。メンツは前回同様コバルトとモリモトアリオミくんの男三人で、場所も同じく我が家。前回はコバルトが料理を作ってくれたけど、今回は料理の時間が勿体ない、ということでオードブルを色々買い込んでの開催。


1本目は『モンスター・パニック 怪奇作戦』(1970)。一人で観てもゲラゲラ笑っちゃう映画だから、みんなでお酒飲んで観たらもっと楽しかろう、と景気づけに俺がセレクト。もはやこの映画はホラー映画として認知されていないという(笑)
そしてやっぱり、モンスターが出てくる度にそのチープさにゲラゲラ笑い転げた。個人的にはミイラ男が一番ツボかなあ。次点でフランケンシュタインの怪物。もう、ミイラ男はただのしわしわの怪我したおじいちゃんにしか見えないし、フランケンシュタインの怪物の眉毛なんかは、笑わせに来てるとしか思えないのよねえ。
続いて2本目はアリオミくんのラヴクラフトものを観たい、というリクエストで輸入盤でしかもモノクロ、サイレントの『クトゥルフの呼び声』(2005)へ。まあ、輸入盤ではあるけれど、原作にかなり忠実であるのでコバルトにはちょいちょい原作の説明をしつつ観賞。この時点で結構お酒が入っていたけど、登場人物の名前とかもスラスラと出てきて、我ながらよく「クトゥルフの呼び声」の原作を覚えているもんだ、と自分に感動(笑)
そして3本目は正統派怪奇映画の傑作『回転』(1961)。怪奇小説を読んでいるかのような良質なじわじわとくる演出にお酒もぐいぐいすすむ。買ってきた日本酒とワイン2本はコバルトと俺しか飲まないのにあっという間に空になっていたのでした。
映画を観終わった後はおまけでアリオミくんと俺も執筆している『ジョージ・A・ロメロの世界』の辛辣なAmazonレビューを読んでみたり、NEUROTIC DOLLの昔のライブ映像を観たりして今回も充実した時間を楽しく過ごした。あー、楽しかった!早く第3回をやりたいなー!
BUFFALO WSR-2533DHPLS-BK
医者の不養生ってわけじゃないけど、実は俺はルーターを滅多に買い替えない。光回線を契約しているので壁までは早いのに、ルーターが古いのでWi-Fiは遅い(笑)使っているルーターは実に10年以上前に買ったWZR-HP-AG300H。まあ、別に大容量のデータをやり取りするわけでもないし、ブロードバンドでしょっちゅう動画を観るわけでもないし。
ところが最近WZR-HP-AG300Hの調子が悪くて、ネットがもたつくようになってきた。ルーターを再起動すると調子は治るものの、しばらくするとまた同じ症状に。仕方がないので新しくルーターを買うことにした。勿論買うからには最新のWi-Fi6世代、IEEE 802.11ax対応ルーターに!と言いたいとこだけど、別にそんな速度は求めていないので安いWi-Fi5世代のWSR-2533DHPLS-BKにした(笑)

本日届いたのでさっそくルーター入れ替え。何やら最近のBUFFALO製品は「無線引っ越し機能」とやらがあって、新旧ルーターのAOSSボタンを押すことによってSSIDとパスワードを移行することができるらしい。へえ、そりゃスゲエ。と、驚きつつ「無線引っ越し機能」はシカトして手動で新しいルーターを設定。
まあ特に悩むことなくサクサク設定完了。SSIDとパスワードは以前と同じものにしたので、端末側は特に変更の必要はなし。これでWi-Fi4世代の2.4GHz、IEEE 802.11nからWi-Fi5世代の5.0GHz、IEEE 802.11acになった。で、これで終わっちゃ面白くないので、速度比較をやってみた。

旧環境。

新環境。
全然理論値出てないじゃーん!ってのは置いておいて(笑)まあ、数値的には確かに早くなったみたい。試しに2GBの動画ファイルをLAN内のサーバにコピーしてみる。
早いっ!
ビックリするくらい早い!こんな早くなるなら、もっと早くに買い替えれば良かった。っていうか、Wi-Fi6世代の最新ルータにすればよかったか!?なんて驚いたけど、でもまあ、最先端を追うとお金はいくらあっても足りないので、値崩れした一世代前のこの程度で当分は十分かな。少なくとも環境はより快適になったわけだしね。
DARKSIDE ROCKERS
POISON D’HERMÈS初の音源「Offrir du Poison」遂に本日発売!アルバムは勿論、予約特典のCDを作ったり、フライヤーをまいたり、コツコツみんなで準備してきたものがようやく形になって日の目を見る日!
ところが、この日東京は台風8号が直撃。動員にも大きく影響が出そう。いや、そもそもプワゾンは俺以外は関西在住なので、メンバーは東京に辿り着けるのか?という。気のせいか、プワゾンのライブの日って雨が多いんだよなあ。

DARKSIDE ROCKERS
-POISON D’HERMÈS Mini Album 「Offrir du Poison」 Release Special-
2022.08.13(sat) at 池袋CHOP
Open 18:00 / Start 18:30
Adv ¥2,500(+D) / Door ¥3,000(+D)
ACT : POISON D’HERMÈS / 天井裏のザムザ / 紫牡丹 / ラパンナジール
▼Read Moreそれでも何とか皆無事に手刀に辿り着き、リハの合間を縫って予約特典のCDラベルにサインを書いたり物販スペースを作ったりとせっせと準備。

POISON D’HERMÈS 1st mini album「Offrir du Poison」
2022.08.13 Release
¥1,000
1. Angel Eyes / 2. Lust Inside / 3. Under Delight / 4. Triangle (Instrumental) / 5. Triangle

ジャケデザインは俺が担当。CHRISTIAN DEATHやROSETTA STONEをイメージしながら作ったので、どっからどう見てもポジパン。クレオパトラからリリースされてても違和感のないデザイン。ゴス好きなら絶対にジャケ買いしちゃうでしょ(笑)んー、こうして現物を手にすると、喜びもひとしおでございます。

こちらはライブ予約特典の2曲入りCD。Lust Inside (Death Road Ver.)はアルバム収録バージョンとは異なる怒りのデスロード版。実はこれ、MIXを担当したAIちゃんが息抜きに作ったお遊び版がそのまま採用されている(笑)でも、こっちの方がカッコよかったりして。

そして、最近ライブでベースのmariちゃんがAUTO-MODの腕章をつけているので、俺も真似してAUTO-MODの腕章を持ってきた。何故POISON D’HERMÈSのライブなのにAUTO-MODの腕章をつけているのかって疑問に思っちゃダメです。

[POISON D’HERMÈS Setlist]
01.Angel Eyes
02.Under Delight
03.Wuthering Heights
04.Gardenia
05.Ambrosia
06.Outlander
07.Lust Inside
EN01.Spellbound
EN02.All I Want
ライブはアンコール2曲を含めて全9曲。久々にSiouxsie and the Bansheesの「Spellbound」もやって気分は上々。台風にもかかわらず足を運んでくださった皆様、そしてCDを買ってくださった皆様、本当にありがとうございました。

終演後に先日のTELL誕ではニウロで白かったTELLさんと。
Won the crisis
今年のTELL誕は2DAYS!しかも、2日目の本日は何と約30年ぶりにMother Gooseが復活!残念ながらPHAIDIAが直前の出演キャンセルとなってしまったけど、NEUROTIC DOLLは予定通り出演のポジパン祭り!

TELL birthday 55 special GIG
Won the crisis
2022.07.29(fri) at 池袋CHOP
Open 18:30 / Start 19:00
Adv 1day ¥3,500(+D) / 2day ¥6,000(+D)
ACT : Musu Bore / NEUROTIC DOLL / Mother Goose
DJ : SatosicK
2DAYSでドラム叩きっぱなしなんて、TELLさん本当に体力凄いなあ。なんて思いながらリハの時間に手刀に行くと、TELLさんの様子が既におかしい。今日はお酒を飲んでいない、という割には明らかにテンションがぶっ壊れ(笑)白塗りすることを嫌がって駄々をこねるTELLさんを皆がなだめすかし、無事ライブスタート。



[NEUROTIC DOLL Setlist]
01.Cantharella -媚毒夢-
02.Corruption -腐敗-
03.Gloria -闇の凱歌-
04.Reveal -啓示-
05.背徳の夜

ライブはちょっとした機材トラブルがあったものの、とりあえずNEUROTIC DOLL終了。そしてTELLさんは楽屋でドウランを急いで落としてMusu Boreへ早着替え(笑)
Musu Boreの次はいよいよ本日の目玉、復活Mother Goose!実はFather Duck名義での6月のシークレットライブも俺は見ているのだけど、やっぱり正式復活は気迫が違う。Eiichiroさんも前回より勘を取り戻したのか自信に満ちている感じ。フロアも当時を知っているのであろうファン達で埋まり、熱量が凄い。しかし、2DAYSのトリに一番曲の速いMother Gooseとは(笑)
TELLさん、本当に2日間お疲れさまでした!そしてHAPPY BIRHDAY!これからもよろしくお願いします。