タイタンの戦い (2010)
『タイタンの戦い』を観てきた。言わずもがなの『タイタンの戦い』(1981)のリメイク作品。レイ・ハリーハウゼンのダイナメーションが3DCGで甦るとくれば、こりゃ劇場に行かねばなるまい。と、今回も頑張って3Dメガネonメガネで鑑賞。
3Dに関しては、先日観たティム・バートンの『アリス・イン・ワンダーランド』(2010)よりもヘボかった(笑)まあ、単純に慣れただけかもしれないけど。
▼Read More怪奇幻想・ゴシックに関することからくだらない日記までつらつらと。
『タイタンの戦い』を観てきた。言わずもがなの『タイタンの戦い』(1981)のリメイク作品。レイ・ハリーハウゼンのダイナメーションが3DCGで甦るとくれば、こりゃ劇場に行かねばなるまい。と、今回も頑張って3Dメガネonメガネで鑑賞。
3Dに関しては、先日観たティム・バートンの『アリス・イン・ワンダーランド』(2010)よりもヘボかった(笑)まあ、単純に慣れただけかもしれないけど。
▼Read Moreで、肝心の本編の方は、81年版とは全くの別物になってた。81年版がどちらかと言うと、ハリーハウゼンのダイナメーションがメインでストーリーはおまけだったのに対して、こちらはあくまでペルセウスの人間としての成長過程がメイン。81年版よりかは、主人公に感情移入しやすいかも。
CGで甦った怪物達は、ハリーハウゼンに敬意を表してか、基本的にはほぼ同一なデザイン。CGなだけあってスピード感溢れる演出で激しく動き回る。この辺は『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズでも感じた、今誰が何とどう戦ってるわけ?と、戸惑うくらいの忙しさ。
メデューサは美人(笑)になってたけど、基本的にはハリーハウゼンのデザインを踏襲してたし、ブーボーもちろっと顔を出してオールドファンとしては、まあ満足。でも、やっぱメデューサはもうちょっとゆっくり動いた方がおどろおどろしかったんじゃないかなあ?
『アリス・イン・ワンダーランド』を観てきた。3Dメガネonメガネで。二重メガネなんて、絶対に見にくいだろーなあ。なんて思ってたら、思いのほか苦ではなかった。
▼Read MoreTVCMやポスターでは、ジョニー・デップのマッド・ハッターが前面に出てるかのような印象を受けてたんだけど、映画本編はちゃんとアリスが主人公だった(笑)『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』(2007)の時みたいに、デップが映画をぐちゃぐちゃ引っ掻き回し過ぎるとうっとおしいな、と思ってたから、とりあえずは一安心。
登場するキャラクター達はデップの眼はデカイわ、ヘレナ・ボナム・カーターの頭もデカイわ、マット・ルーカスは二人いるわと、役者の顔をそこまでいじるか、という怒涛のCG出血大サービス。でも、一番良かったのは白の女王を演じたアン・ハサウェイ。
いやあ、アン・ハサウェイのあのふわふわと浮世離れした存在感は良かった。腹の底には姉である赤の女王にも通ずる「毒」を持っているにも関わらず、表面上は「平和」を取り繕ってて。あのいかにも「お姫様」的なポージングも、そんな彼女の微妙な内面を表現していて良い感じ。結局、CGでインパクトを強調したどのキャラクターよりも、アン・ハサウェイが目立ってたってのは、ちょいと皮肉な結果かしらん?
クリストファー・リーとマイケル・ガフの名前がエンドロールで連なって出てきた時は、全身に鳥肌が立った。とか言いつつ、実際本編じゃ二人とも大して台詞がなくって、怪奇映画マニアとしてはちょっとガッカリ。
で、話題の3D技術は確かに凄かった。ディズニー作品ということもあってか、何かアトラクションを眺めているようで、「映画を観る」というよりも、「アトラクションを体験する」って感じ。最初のうちは「おぉー!飛び出してる!」って感動したけど、引っ張りに引っ張った末のラストのジャバウォッキーとの戦いは3Dならでは!というアングルもそれほど多くなく、結局、終始一貫して字幕が一番3Dだった(笑)
ディズニーという制約があるせいか、ティム・バートンが持つ独特のダークな世界観は薄いし、話も予定調和。まあ、話題作ってことで足を運んだ自分としては「それなりに」楽しめたかな。
『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』を観てきた。前作が思いっきり「つづく」って終わり方だったから、期待は膨らむ一方。とは言え、既にCMじゃジョニー・デップ出てるし、前作で死んだと思われるジャックが甦るのはもう、周知の事実(笑)
▼Read Moreところが、ところが、本作、面白いんだけども面白くない。正直、金のかかってる駄作な感じ。脚本・演出がとってもマズイ。それぞれのキャラクター達の思惑、バックグラウンドの描き方が不十分なもんだから、各自の立ち位置が見えてこない。なのに、みんなそれぞれの思惑で裏切ったり、戻ったりを繰り返す。
しかも、肝心のジャック・スパロウはすっとぼけの繰り返しで、映画の中にカオスを撒き散らしているだけの存在に成り果ててる。もう、主役は完全にオーランド・ブルーム。と、猿(笑)
前作でも垣間見えた、激しい映像のオンパレードで見てて面白いけど、中身はない。って方向性はさらに加速しちゃってて、ストーリーは薄っぺら。しかも、ちゃんと見てるのにストーリーに取り残されていく感いっぱい。んー、微妙。とっても微妙。
正直、1作目でやめといた方が良かったんじゃないかしらん?
宮部みゆきの代表作にしてベストセラー『模倣犯』をケーブルテレビでやっていたので観てみた。基本的に邦画嫌いな俺にしちゃ珍しいけど、原作がとにかく面白かったので番組表で見かけてから、ずっと楽しみにしてた映画。
ところが、事前にネットの評判を見るとこれがまた最悪。原作既読者も未読者も一様に駄作だと切り捨ててる。こりゃ、余り期待はできそうにないな、と覚悟して観た。
▼Read More覚悟が足りなかった。いやはや、史上最低の映画監督との呼び声高いエド・ウッド作品と肩を並べるんじゃないかってくらいにひどかった。今までに観た映画の中で間違いなく一番の駄作。もう、あまりにひどくって、一体どこからケチをつけようか迷うくらい。
まずは、キャスティング。ピースを演ずるのはSMAPの中居君。セリフ棒読み。てか役者じゃないじゃん、タレントじゃん。他にも山田花子やら爆笑問題やらPUFFYやら、とっても「豪華」で「不要」なキャスト。もう、こういったタレントを映画に起用するのやめてもらえないかなあ。
続いて演出。過去のシーンはとりあえずセピア色。なんかとっても安易だしセンスが古い。テレビの番組のセットも妙に80年代風。あー、テレビって昔はこんなセットだったよね。クイズダービーとかさ。でも、最近のテレビ番組はもうこんなセット使ってないよ。監督さん、最近テレビ見てる?
さらにはサイバーな演出のつもりか何か知らないけど、事件に呼応して2chライクな掲示板の書き込みと思しき文字列が画面を流れる。おぉー!『マトリックス』(1999)みたいだねっ!サイバーでクレイジーで最高にクールだよっ!・・・んなわきゃない。何というか、生活の隅々にまでIT技術が普及したこのご時世に乗り切れていない年寄りが、無理して「サイバーってこんな感じだよね」って想像で演出した感ありあり。
で、最もヒドイのが脚本。そもそも膨大なボリュームの原作だから、限られた時間の中で描くにはエピソードの取捨選択が必要なのは当たり前。原作と映画は別の作品ってのも分かる。でも、仮にもベストセラー小説の映画化作品と名乗るからには、原作の真髄を失っちゃだめでしょう。
原作が微に入り細を穿って描いた人物達は、皆一様に薄っぺら。原作ほどまで人物描写に時間を割けないのは分かるけど、その割には要らない設定やら登場人物は残してる。もう、何を考えてるのやら。勝手に意味不明な演出を織り交ぜて、DVDの特典で全ての謎は明かされる!ってのもウザい。そんな大した謎じゃないし、ただただ演出意図不明なだけ。あえて言うなら「テメー、一体何考えてこんなクソ映画作ってんだ?」っていう「謎」が知りたい。
そして・・・極めつけはピースのラスト。ネタばれになっちゃうから未見の人はこの先を読まないように。
なんと原作では逮捕されるピースが、テレビ番組収録中に爆発。それも、とってもチープなCGで中居君の顔が花火みたいに「ひゅるひゅるひゅるっ」って天井からのアングルのカメラに向かって飛んでくる。大爆笑。最初、何が起こったように「演出」してるのか全く理解できず。ただ、大爆笑。人間が爆発したというのに、血は飛び散らないし肉片も飛び散らない。シュールだねえ。
いやー、宮部みゆきが試写会の途中で退席したというエピソードは伊達じゃない駄作。ホント観る価値なし。
ちょっと前にケーブルテレビでやった時に録画しておいたのを観た。原作は東野圭吾の『レイクサイド』。小説はかなり舞台劇向きの構成だったので、それがどう映画化されるのか興味があった。
▼Read Moreで、観た感想は・・・火曜サスペンスか何かのような陳腐なテレビドラマに成り果てていた。
まず一番イライラしたのは、音声。全然聞き取れない。商業映画だと言うのに、信じられないレベルで音声が拾えてない。部屋の奥で喋れば喋るほど聞こえない。薬師丸ひろ子が部屋の奥でボソボソ喋ってるシーンなんか、何度巻き戻してボリューム最大まで上げても聞こえない。それに加えて、柄本明も滑舌悪すぎで聞き取れない。てか、こんなの金取って人に見せるレベルじゃない。もう、ボリューム上げ下げする度に、何度リモコンをテレビに投げつけそうになったことか。
内容の方もお粗末。大筋は原作をなぞってるのに、原作の真髄がない。細かいけど重要な伏線が何故かカット。その一方でテレビの2時間枠ドラマのラストにありがちな独白大会を追加。脚本家は原作をちゃんと読み込んだのか、とっても疑問。
後、薬師丸ひろ子は未来を予見できる能力を持ってる。なんて舐めきったSF的要素が加えられてたけど、この作品にそんな要素必要?あー、今思い出してもムカムカする(笑)
カリブの海賊再び!世間より一足先に先行上映で『パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト』を観てきた。
▼Read Moreこの映画、勿論あのディズニーの「カリブの海賊」をモチーフにした『パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち』(2003)の続編。ディズニーランドで一番好きなアトラクションが「カリブの海賊」である俺としては、そりゃ観に行かないわけがない。とか言いつつ、俺は前作を観ていない(笑)
というわけで事前に『パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち』をレンタルDVDで予習。ジョニー・デップの人をくったようないかがわしーい海賊スタイルに大笑い。期待に胸を膨らませていざ劇場へ!
まずは、前作よりも随分とドタバタ色を増したというのが第一印象。だから、劇場で観てた時はゲラゲラ笑って面白かったんだけども、家に帰って思い返すと尺のわりには意外と内容が薄かったことに気がつく。そして何よりも重要なのは、本作が三部構成を予定されているシリーズの第二作目にあたり、単体ではストーリーが完結しないということ。
ドタバタを大量に投入したからそうなったのか、はたまた三部構成とするために無理矢理内容を引き伸ばしドタバタを増したのか分からないけど、観終わった時には何とも不完全燃焼。やっぱり盛り上がってきた所で「つづく・・・」って引っ張るのはねえ。
それでも、ジョニー・デップのとぼけた演技は楽しいし、前作の主要キャラが殆ど全員出てくるのも嬉しいところ。
ジョニー・デップ、オーランド・ブルームが出ていることできゃあきゃあ騒ぐ女性ファンがいることに反発を覚えつつも、でもまあ次も観に行っちゃうだろうなあ(笑)
『指輪物語』と比較されることの多い『ナルニア国物語 第1章 ライオンと魔女』を観てきた。
▼Read More実は俺、原作は読んだことがない。中学生の頃から『指輪物語』に心酔していたせいもあって、児童文学という肩書きの本作は今までずっと敬遠してた。なので、何の予備知識もなくいきなり本編突入。
・・・完璧に子供向きだあ。
ディズニー映画ってこともあってか、やっぱり子供向き。しかも小学校低学年くらい。脚本も演出も人物もとにかく全部薄っぺらい。幼少時に原作を読んでいればまた印象は違ったのだろうけど、今更この歳になってじゃこれはツライ。箪笥の奥に広がる別世界という発想は素敵。でも、ごめんなさい、もう、そんな無垢な心持ち合わせていません(笑)
白い魔女役のティルダ・スウィントンは、人外的な雰囲気を漂わせててかなりよかった。ところが肝心の子役達はパッとせず。
んー、続編作るらしいけど、とっても微妙だなー。
『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』に続く、ティム・バートンのストップモーション作品『コープス・ブライド』を観てきた。
▼Read More『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』が劇場公開された時はガラガラだったのに、その後のキャラクターグッズのブームのおかげか『コープス・ブライド』は混みこみ。女性いっぱい。なんつーか、こう、にわかにメジャーになると萎えるなぁ。お前ら、オブライエンとハリーハウゼン作品を全部見てから来い!ジム・ダンフォースまで見てたら許してやる!みたいな。
ま、ともかく(笑)
作品は『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』に比べるとやや物足りず。まず、主人公がもろに人間なのが良くない。ティム・バートンの個性溢れるセンスが「人間」という枠で押さえつけられてしまった感じ。だから、死者の世界の方がキャラクター達の個性が立ってるんだけど、それでも『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』ほどのキャラクターの魅力はない。
さらに、ストップモーション技術は『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』を遥かに凌ぐ凄まじさなんだけど、これがまた逆にすごすぎて逆効果。余りにスムーズに動きすぎるキャラクター達がストップモーション映画の魅力を半減させてしまっている。「あのカクカク感」がなくなってしまってはCGとさして変わりがなくなってしまい、味がない。
ダニー・エルフマンの楽曲もイマイチ。うーん、期待が大きかっただけに、個人的にはガッカリな映画だったなあ。
有楽町朝日ホールで行われた映画祭「ドイツ時代のラングとムルナウ」へ行ってきた。
▼Read Moreこの映画祭、何がスゴイってムルナウ財団協力。『吸血鬼ノスフェラトゥ』(1922)、『メトロポリス』(1927)にはじまり、『ドクトル・マブゼ』(1921)、『ニーベルンゲン』(1923)、『最後の人』(1924)、『ファウスト』(1926)等々と、怒涛のラインナップ。輸入版では勿論持ってるけど、字幕付きで大スクリーンで見られるなんてこんなことは滅多にない!
全部見たい!全部行きたい!!
でもチケットは演奏付き2000円、演奏無し1600円。会場は各回完全入替制。・・・全部観たら20000円越えちゃう。むぐぐ。そこで泣く泣く演奏付きの『吸血鬼ノスフェラトゥ』だけ行くことにした。他の作品は平日上映だから会社休むわけにはいかないし。
上映直前に会場につくと、思いのほか人が多くて大盛況。映画祭初日ということで、上映前にムルナウ財団からの舞台挨拶もあって気分は嫌がうえにも高揚。そして、演奏は何とドイツ人親子によるピアノとバイオリンの生演奏。おおお、400円多く払って演奏付きの回にしてよかった!でも、楽曲はArt Zoydみたいにもっと怪奇趣味全開にして前衛に振り切っても良いように思った。一般客が引いちゃうくらいに(笑)
肝心の『吸血鬼ノスフェラトゥ』本編は、フッターの葉書を受け取る直前にゴルフをしているハーディング夫妻等、一部観た記憶のないシーンがいくつかあった。フィルムのせいか、会場の設備のせいか、やや映像のフォーカスが甘かったような気もするけど、でも大満足。大満足。やっぱり大きなスクリーンで観ると、同じ映像でも迫力が違う。マックス・シュレックの人外的なオーラといったら!
いやはや、帰りがけに映画祭のチケット回数券を買いたくなる衝動を抑えるのは本当に大変だった(笑)
ようやく、ようやく、『シスの復讐』を観てきた。『ファントム・メナス』も『クローンの攻撃』もイマイチだった俺としては期待半分、不安半分。過去の三部作と、どう折り合いをつけるのか。ただのエロガキだったヘイデン・クリステンセンは立派に(笑)ダース・ベイダーになれるのか。観る前から既にドキドキハラハラ。
▼Read Moreで、観た印象としては・・・すっごく良かった!新三部作の特徴でもあるこれでもかっ!なCGのオンパレードもテンポよく、新三部作の中では一番良かった!今まで感じてた「これは『スター・ウォーズ』なんだからありがたくみなくっちゃ」みたいな無理強いさせられた感動じゃなくて、素直に感動できたのが一番いい。
単純に見慣れたせいか、衣装が旧三部作を意識したものだったせいか、ユアン・マクレガーのオビ=ワンも大分、アレック・ギネスのオビ=ワンを想像できるようになった。我らが最後の怪奇俳優、クリストファー・リーも「十字架」状に組み合わされたライトセイバーで最期を迎えてニヤリ。さらには今は亡きリーの盟友、グランド・モフ・ターキンことピーター・カッシングまで特殊メイクで登場してハマー・ファンとしてはもう、リーとカッシングが再び同じ銀幕に!と大感激!アップになったら似てなかったけど(笑)
ただ、旧三部作との矛盾もちらほら。『ジェダイの帰還』でレイアがルークに母親の記憶を話すシーンあったけど、思いっきりパドメは出産で死亡。あれ?レイアが言ってたのは義母のこと?とか。これだけ一緒に戦っておいて、旧三部作ではR2-D2と初対面のようなオビ=ワンとか。
さらには、それまでの政治の世界で気丈に立ち振る舞ってきたパドメの性格が『シスの復讐』では妙に一歩引いたものになっていたり、アナキンの葛藤に対してさほど心配をしないオビ=ワン。ダークサイドに落ちるアナキンの理由が全然ドロドロしていなくて説得力に欠ける、と人物描写の軽さも目につく。
それでもやっぱり、全体としてはとっても良かった!だってこれは『スター・ウォーズ』なんだから!!(自己矛盾してるよ 笑)