『アリス・イン・ワンダーランド』を観てきた。3Dメガネonメガネで。二重メガネなんて、絶対に見にくいだろーなあ。なんて思ってたら、思いのほか苦ではなかった。
▼Read MoreTVCMやポスターでは、ジョニー・デップのマッド・ハッターが前面に出てるかのような印象を受けてたんだけど、映画本編はちゃんとアリスが主人公だった(笑)『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』(2007)の時みたいに、デップが映画をぐちゃぐちゃ引っ掻き回し過ぎるとうっとおしいな、と思ってたから、とりあえずは一安心。
登場するキャラクター達はデップの眼はデカイわ、ヘレナ・ボナム・カーターの頭もデカイわ、マット・ルーカスは二人いるわと、役者の顔をそこまでいじるか、という怒涛のCG出血大サービス。でも、一番良かったのは白の女王を演じたアン・ハサウェイ。
いやあ、アン・ハサウェイのあのふわふわと浮世離れした存在感は良かった。腹の底には姉である赤の女王にも通ずる「毒」を持っているにも関わらず、表面上は「平和」を取り繕ってて。あのいかにも「お姫様」的なポージングも、そんな彼女の微妙な内面を表現していて良い感じ。結局、CGでインパクトを強調したどのキャラクターよりも、アン・ハサウェイが目立ってたってのは、ちょいと皮肉な結果かしらん?
クリストファー・リーとマイケル・ガフの名前がエンドロールで連なって出てきた時は、全身に鳥肌が立った。とか言いつつ、実際本編じゃ二人とも大して台詞がなくって、怪奇映画マニアとしてはちょっとガッカリ。
で、話題の3D技術は確かに凄かった。ディズニー作品ということもあってか、何かアトラクションを眺めているようで、「映画を観る」というよりも、「アトラクションを体験する」って感じ。最初のうちは「おぉー!飛び出してる!」って感動したけど、引っ張りに引っ張った末のラストのジャバウォッキーとの戦いは3Dならでは!というアングルもそれほど多くなく、結局、終始一貫して字幕が一番3Dだった(笑)
ディズニーという制約があるせいか、ティム・バートンが持つ独特のダークな世界観は薄いし、話も予定調和。まあ、話題作ってことで足を運んだ自分としては「それなりに」楽しめたかな。