『ゴジラ』(1954)から70周年、そして東宝ゴジラ30作品目となる『ゴジラ-1.0』(2023)を観てきた。文句なしに過去最高のゴジラ映画だと思う。ゴジラは本作で初めて怪獣映画という土俵から、日本映画という土俵にあがったと言えるんじゃなかろうか。
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『ゴジラ』(1954)から70周年、そして東宝ゴジラ30作品目となる『ゴジラ-1.0』(2023)を観てきた。文句なしに過去最高のゴジラ映画だと思う。ゴジラは本作で初めて怪獣映画という土俵から、日本映画という土俵にあがったと言えるんじゃなかろうか。
▼Read More今回は第二次世界大戦末期の1945年が舞台。それに合わせて、118.5mまで巨大化していたゴジラの身長も初代の50mに戻って50.1mへ。これが思いっきり効果的で恐怖感を高めていた。目線が近づいたおかげで、見あげる人をゴジラが目視して意図的に襲い掛かって来る感じがとにかく怖い。
そして、今までのゴジラ作品では、芸能人やタレント、アイドルと言った役者ではない演技素人が幅を利かせる役どころで登場して、我々怪獣特撮好きでも「いや、これはさすがにちょっと」と感じるストーリーパートの質の低さがあった。『ゴジラ』(1984)の沢口靖子、『ゴジラ×メカゴジラ』(2002)の釈由美子、『シン・ゴジラ』(2016)の石原さとみや前田敦子とかとか。それが本作では一切ない。加えて人間ドラマもしっかり作られているので、我々マニアが「いや、だってゴジラは怪獣映画だからさ」と自嘲気味に諦めていた怪獣映画という狭い土俵から、『ゴジラ-1.0』は一般視聴者をターゲットにした、日本映画という土俵で勝負できるものになっていた。
第二次世界大戦の帰還兵達が、敗戦の挫折と絶望の中からゴジラと対峙することで再び自信と尊厳を取り戻すという、まあ戦争映画にはありがちではあるけど王道な物語の基本構成もいい。だから、かなり感情が揺さぶられて泣ける。ビックリするほど泣ける。まさかゴジラで泣く日が来るとは。
『シン・ゴジラ』同様、フルCGで描かれるゴジラのデザインもカッコいい。下半身がどっしりしているフォルム、凶悪に連なる背ビレ、ゴツゴツとした皮膚。84年のスーツ版ゴジラが至高と思っている俺だけど、今回のゴジラもかなり好き。ちなみにゴジラの造形で俺が好きな順番は、84年ゴジラ、初代ゴジラ、マイゴジ、キンゴジ、モスゴジの順番かな(笑)
しかし、本当に大興奮した。これはまた劇場に足を運んでもう何回か観ないとだなー。