水族館劇場 / あらかじめ喪われた世界へ
ジュネが強力におススメしていた水族館劇場の「あらかじめ喪われた世界へ」を観に仕事の帰りに行ってみた。この劇団の最大のウリは、ステージで使われる数トンの水という話。何やら、とっても面白そう。

怪奇幻想・ゴシックに関することからくだらない日記までつらつらと。
ジュネが強力におススメしていた水族館劇場の「あらかじめ喪われた世界へ」を観に仕事の帰りに行ってみた。この劇団の最大のウリは、ステージで使われる数トンの水という話。何やら、とっても面白そう。
場所は世田谷区にある太子堂八幡神社の境内に設置されたテント小屋。神社に着くとちょうど鳥居の側にジュネがいたので、チケット買ってしばし歓談。芝居は小屋前でのプロローグと小屋の中での本編に分かれ、プロローグまでは写真撮影できるとのこと。
その内、プロローグが始まるということで小屋の横に設置された野外ステージの方へと移動する。テント小屋は8mくらいの高さまでそびえていて、これから始まる異質な空間への期待を高まらせる。
プロローグでは、その組み上げられたステージのいたるところから役者達が登場してくる。楽団の人達が演奏をしながら小屋の側面の高い所から足場ごと回転して現れたり、小屋の上から役者さんが吊り下ろされてきたり。そのダイナミックさにプロローグから度肝を抜かれる。
プロローグも終わり、テント小屋の中へと誘導される。入った順番は遅かったんだけど、ラッキーなことに最前列に座れた。・・・何故か水除けのビニールが準備されている(笑)これはひょっとして、イルカショーみたいな感じ?
物語の舞台は地図にない街、涙橋。現とも幻ともつかぬ寂れた裏路地に、故郷を捨てた流れ者や孤児、宿に売られた女達がひしめく。全てが儚くて脆い存在。街も人も全てが虚構であるかのような、拠り所のない不安とやり場のない怒りや諦めに包まれている。
そして、第一幕終盤。きた!噂に聞いていた水の大崩落シーン。舞台の上から物凄い量の水が流れ落ち、舞台の下からも水が噴き上げる。おおお、最前列で良かった、迫力がハンパない。濡れたけど(笑)
こればかりは体験してもらうしか、その圧倒的なスペクタル感は分からないんじゃないだろうか。お世辞にも広いとは言えないステージで、すぐ目の前で繰り広げられる圧倒的な水量と勢い。最前列だと、遠近法を使ったセットの縮尺がベストにならなかったけど、それでもこのインパクトを感じ取れたのは最前列のおかげ。
芝居はセットの椅子が壊れるアクシデントや、台詞が飛んじゃうハプニングもあったけど、とても印象的なアングラ演劇だった。テントの中には別世界が待っている。住宅街の中に位置する神社と幕一枚を隔てて広がる異世界。全ては夢か幻か。何とも不思議な体験だった。
あ、そうそう。あすなろ園のシスターを演じてた方がなんだかとってもミステリアスで、乱歩的な如何わしい香りを放っていたのが印象的だった。
本日2013年5月26日は、ピーター・カッシングの生誕100周年。まさに100年前のちょうど今日、ピーター・カッシングがこの世に生を受けたわけです。そこで、それを記念して魔人館が主催したホラーワールド vol.2に行ってきた。
このイベントは日本SF作家クラブ等の協力を得て、作家の菊池秀行氏と井上雅彦氏、そして我らが石田一氏がピーター・カッシングについて熱くトークを繰り広げるという、何とも楽しい催し。勿論、集まったお客さんも皆濃いホラー・ファンの方々ばかり。
▼Read More「あら、カッシングさんったら。意外と胸板厚いのね、素敵だわあ」とか、「腕も太くてポパイみたいだわねぇ。逞しいわあ」といった妖しげな会話に華が咲く(一部脚色)。
石田さんが以前カッシングとリーにファンレターを送ったら、カッシングはタイプ打ちされたお返事に直筆のサインがかえってきたのに、リーは送った封筒の差出人住所の部分を切り取ってそのまま宛先に貼りつけていたというエピソードには爆笑。まあ、まさか本人がやったわけじゃないだろうけど(笑)他にも『スター・ウォーズ』(1977)の時にスタッフが準備したブーツのサイズが合わず、カッシングは全身が映らないシーンではスリッパを履いて演技をしていた、という裏話も。
そして話題は当然、先日遂に発売された幻の日本公開版のシーンを含んだレストア版の『吸血鬼ドラキュラ』(1958)へ。会場にはハマーへフィルムの存在を伝えた功労者サイモン氏も来ており、感謝することしきり。
会場内にはフィギュアも展示されていて、カッシングの生誕100周年を祝うにふさわしい、いいイベントだった。
『スター・ウォーズ』(1977)より、カッシングのグランド・モフ・ターキン。
クリストファー・リーのドラキュラ。
『吸血狼男』(1961)より、オリバー・リードの狼男。
FINLAND FESTがサポートするLOUD & METAL ATTACKに行ってきた。勿論お目当ては2005年の初来日以来となるNIGHTWISH。と、LIV MOON(笑)
いそいそと新木場STUDIO COASTへと向かう。開場時間の14:00ちょい過ぎに到着すると、既にゲートの前には思い思いのバンドのTシャツを着込んだメタラー達がわんさか。この辺、ゴシック系のファン層とファッションが違ってて面白い。俺の整理番号は34番だったので、さくっと会場入り。
会場前にはキッチンカーが3台ほど並んでいて食事も取れるようになってたけど、まずは物販でNIGHTWISHのツアーTシャツを買っていざ会場内へ。
▼Read Moreオープニング・アクトはLIV MOON。ヴォーカルの茜LIVは白いシャツに黒のベストと、随分とシンプルな出で立ちで登場。
[Setlist]
1.霧の葬送曲 / 2.Kiss Me Kill Me / 3.Black Fairy / 4.Black Ruby / 5.The Last Savior
なんだかんだケチをつけながらも、LIV MOONは全アルバムと全DVDを購入してきたわけだけど、まあ、やっぱり上手い。茜LIVのヴォーカルはアルバムと比較しても全く遜色ないレベルだし、メンバーの演奏も超一流。でも、やっぱりなんかつまらない。何と言うか、自己完結しすぎていてライヴと言うよりコンサートな感じ。オーディエンスの乗せ方とか煽り方が弱くて客席との一体感がないというか。すっげー美人だし、歌も演奏も上手いんだけどね。
続く2番手はOMNIUM GATHERUM。
デスメタルなバンドだった。ちょっと俺の好みとは違う感じだったので、途中でビールを補充に。やー、昼からライヴを見て、ビール飲めるなんて、何て幸せなんだろう(笑)
続いて3番手はJESSICA WOLFF。
これまた何の予備知識もなかったんだけど、写真で見る限りはやたらと美人。どんな音楽なのかと思っていたら、普通にポップスだった。アウェー感バリバリ。元気いっぱいな女の子!って感じだったけど、歌はイマイチ。茜LIVとフロールに挟まれちゃキツイかなあ。
まだまだ続くよ、4番手はMOKOMA。ぼさぼさの長髪に長い髭、そして眼鏡。という何とも変わった教授風の風貌のヴォーカル。
ところが演奏が始まると、これがまた激しいスラッシュ(笑)そのギャップに思わず引き込まれる。客席もヒートアップして、ダイブをする人やサークルモッシュをしだす人達までいた(笑)こういう、ライヴを楽しんでる人達を見てると、こっちも楽しくなってくる。演奏後に客席をバックにメンバーが写真を撮ったりしていて微笑ましくいいライヴだった。
5番手はTURISAS。イベントの参加バンドの写真を見た時から「なんじゃ、コイツらは」と気になっていた「赤塗り」バンド。いわゆるウォーペイントなわけだけど、写真で見る限りではインパクト十分。会場にも同様のウォーペイントを施したファンの人達が何人もいて、始まる前から期待度マックス。
どうやらTURISASは「ヴァイキング・メタル」というジャンルらしい。のっけから、物凄く勇壮でテンションあがりまくりな音楽で押しまくる。もう、やりすぎっ!なくらいに勇ましい。ヴァイオリンを加えた構成で一部民族音楽的な要素もあったけど、とにかくアグレッシブで血が沸き立つようなパフォーマンスだった。あ、ベースの人が腕に「チュリサス」「戦」ってペイントしてたのがお茶目だった(笑)
そしてトリは勿論、NIGHTWISH!前回来日時はターヤだったわけだけど、その後ヴォーカルはアネットに変わり、更に変わって今回はフロール。YouTubeでフロールに変わってからのライブ映像を幾つか見ていたので予備知識はあったものの・・・。
フロールでけえ!メンバーの中で一番デカイ!でも、生で見るとその大きさ故にステージ映えする。あの背丈でロングヘアーを振り回すヘッドバンキングは迫力満点。手足も長いから踊っていてもサマになる。ただ、背中は広い(笑)一家を背負うおとうちゃんの背中な感じだった。
[Setlist]
SE.Crimson Tide / 1.Dark Chest Of Wonders / 2.Wish I Had An Angel / 3.She Is My Sin / 4.Ever Dream / 5.Storytime / 6.I Want My Tears Back / 7.Nemo / 8.Romanticide / 9.Amaranth / 10.Last Ride Of The Day / SE.Imaginaerum
肝心のヴォーカルはやっぱりターヤを生で見た俺としてはちょっと物足りない。そつなく歌っていたけど、クセがない分、アネット時代の曲の方がスタイルには合ってるかな?それでも、セットリストはターヤ時代の曲をメインに据えての大奮発。アンコールはなかったものの、満足度はかなり高かった。
トータル5時間の長丁場ですっごく大満足なイベントだった。そして、立ちっぱで疲れ切った足を引きずり帰途についたのでした。んー、もう若くないのう。
以前、友人から「G-SchmittのStruggle to Surviveの黒いジャケのバージョン手に入れたんだけど」と聞かされたことがあった。それまで、白いジャケのものしか見たことがなかった俺は「誰かがマジックで塗りつぶしたんじゃないの?」なんて半信半疑だったんだけど、実際に友人に見せてもらって、確かにStruggle to Surviveには黒いバージョンが存在することをその時はじめて知った。
当然コレクターの俺としては両方持っておきたい(笑)以来、探すこと10数年。まあ、そんなに必死に探してたわけじゃないんだけど。ようやく先日手に入れた。
一応、このアルバムの紹介もしておくと、ヴェクセルバルグ系の中で凛とした輝きを放っていたG-Schmittの1987年にリリースされたコンピレーション・アルバム。それまでにLPで発表されていた時の葬列、Modern Gypsies、Sin, Secret & Desireの各アルバムに収められていた楽曲が収録されているので、LP引っ張り出して聞くのは面倒だし・・・という俺みたいな人にはもってこいなアルバム。まあ、もう既にMP3化してあるからCDすらも引っ張り出さないんだけど(笑)
01.Kの葬列 / 02.Catholic (New Vocal) / 03.Limit / 04.The 1001 Nights / 05.Farewell / 06.Waltz / 07.Mescaline Dream / 08.Belladonna (Re-Mix) / 09.Lotus Garden / 10.Someday Somewhere / 11.Grand Cirle / 12.Public Game / 13.Farewall
あらためて聞き返してみると、やっぱり「あの時代」独特の香りと感覚は時代に色褪せていない。現代のように音楽産業が商業ベースにのり市場が成熟しておらず、「インディーズ」ではなく「自主制作」だった時代。PCで誰もがCDを作れる時代ではなく、レコードをプレスしなくてはならなかった時代。だからこその強いこだわりを持った作品達。単なる懐古趣味に聞こえるかもしれないけど、やっぱりあの時代の作品達には研ぎ澄まされた感覚があると思う。
AUTO-MODやMADAME EDWARDAは未だに活動を続けているし、SADIE SADSも復活。昨年は時の葬列が四半世紀の時を越え行われたことだし、色々な事情があるのは知ってるけど、G-Schmittもまた活動を再開しないかなあ。
G-Schmitt関連のCD揃い踏み(笑)
ずっと欲しいな、欲しいなと思ってたホームシアター。けど、俺が見る映画は大半が古い映画。当然モノラルなものが多いわけで5.1chとなるホームシアターのメリットは薄い。それでもテレビのスピーカーで聞くよりは音質はあがるはず。んー、でも5.1chはスピーカーのコードがうっとおしいし。でも欲しいなあ、どうしようかなあ。なんて悩むこと10年以上(笑)とりあえず、5.1chへ拡張も可能な2.1chのホームシアターを購入した。
購入したのはPIONEERのHTP-S535。ちょっと型が古いんだけど、その分値段もさがっていたし、何よりデザインが気に入った(笑)
で、本日届いたので早速配線してセッティング。アンプと一体型のウーファーにはHDMIの入力端子が3つあるので、先日買ったPIONEERのBDP-150とPS3を接続。ウーファーからはBRAVIA KDL-46VへHDMIで出力。HDMI-CECで各接続機器は電源連動は勿論、入力切替も自動でするし、音量調節はBRAVIAのリモコンでも操作可能。HDMIケーブル1本で映像も音声も飛ばせて、連動もできるなんて、本当いい時代になったなあ。
更に、このHTP-S535のウーファーには前面にUSB端子があって、iPod連動もできる。つっても俺はiPodは持ってないので、とりあえずSONYのウォークマンNW-A847をUSBで繋いでみた。結果、連動可能!ちゃんと充電もできるし、HTP-S535のリモコンでウォークマンの操作もできる。まあ多分できるだろうな、と想像はしてたけどちゃんと確認取れて一安心。
さて。接続と起動確認が一通り完了したところで、肝心の音質。まだスピーカーのエイジングが十分ではないから何ともな部分はあるとは思うけど、それでもTVのスピーカーよりは断然音が良くなった。流石におおお!映画館みたいっ!ってほどではなく値段相応な感じではあったけど。
とりあえず最大の恩恵は、やっぱりHDMI連動かな。今まで映画はコンポで音声出力してたから、コンポを立ち上げて入力切替して、って手間がなくなったのは随分といい感じ。さあ、次は5.1chへの拡張かなっ(笑)
[レシーバーサブウーファー]
■型式:バスレフ式フロア型 16cm(コーン型)
■アンプ出力:フロント/センター/サラウンド 100W/ch(1kHz、10%、4 Ω)、サブウーファー 100W(100Hz、10%、4 Ω)
■FMチューナー受信周波数:76.0~90.0MHz
■HDMI端子:3入力/1出力
■音声入出力端子:光デジタル2入力、同軸デジタル1入力、アナログ5入力、アナログ2出力
■映像入出力端子:コンポジット4入力、コンポジット2出力
■その他の入出力端子:iPod/iPhone Digital/USB入力:1系統、サラウンドバック出力:アナログ1系統
■消費電力:69W
■待機時消費電力:0.5W
■外形寸法:230mm(W)×360.5mm(H)×422.5mm(D)
■本体質量:11kg
[フロントスピーカー]
■型式:密閉式ブックシェルフ型 5.2cm(コーン型)×2 / 2.6 cm (セミドーム型) 2ウェイ
■外形寸法:126mm(W)×462mm(H)×126mm(D)
■本体質量:1.3kg
我が家のDVD/Blu-rayの約半数は輸入盤。御存知の通り、DVDやBlu-rayにはリージョンコードというものがあって、日本国内のデッキでは海外のメディアは再生できないようになってる。なので、ウチのデッキはVICTORのDVDプレーヤーのXV-P303をはじめとして、PCのドライブに至るまで全てリージョンフリー化してある。
秋葉原のSaleで買ったXV-P303。
けど、VICTORのXV-P303もそろそろお古。と言うわけで、新しいプレーヤーを買った。
▼Read More買い替えの理由は、当然ながらXV-P303はBlu-rayを再生できないのが不満だったのと、DVDのアップスケーリング機能がないので、流石に46インチの大画面だと画質のアラが気になってたから。アップスケーリングはPS3が何気に高性能なんだけど、PS3じゃ輸入盤は再生できないからね。
なので、新しいデッキに求めた機能としては
・DVDのアップスケーリング機能があること。
・DVD/Blu-rayがリージョンフリーであること。
・NTSCとPALの双方が再生可能であること。
といったところ。
で、今回はDVD FantasiumでPIONEERのBDP-150を購入。本日届いたので早速テレビと繋いでみる。XV-P303はD端子とオーディオケーブルだったのがHDMIの1本になってケーブル周りが随分とスッキリ。
使ってみるとDVDは特に何もしないでリージョンフリーなのに、Blu-rayは電源OFF状態からリモコンでリージョンを指定して起動する必要があった。まあ、大した手間じゃないけど、これは予想外。NTSC/PALに関しては特に意識することなく再生可能。
DVDのアップスケーリングはやっぱりPS3よりは劣るものの、十分視聴には耐えうる感じ。少なくともXV-P303よりは断然綺麗になった(笑)他にもBDP-150にはDLNAやSACD再生機能とかあるんだけど、この辺は使わないかな。うむ、満足、満足。
■再生可能メディア:BD-ROM(BDMV、BDAV)、BD-R/RE(BDMV、BDAV)、BD-R DL/RE DL(BDMV、BDAV)、BD-R LTH(BDMV、BDAV)、DVDビデオ、DVD-R/RW(ビデオモード、VRモード/CPRM対応)、DVD-R DL(ビデオモード、VRモード/CPRM対応)、DVD+R/+RW(ビデオモード)、DVD+R DL(ビデオモード)、AVCRECディスク、AVCHDディスク、SACD、音楽CD、CD-R/RW(音楽CDフォーマット)、USBメモリー
■再生可能ファイル:DivX Plus HD、MKV、WMV、AVI、JPEG、WMA、MP3、MP4、WAV、FLAC
■出力解像度:480/60i、480/60p、720/60p、1080/60i、1080/60p、1080/24p
■デジタル音声特性●周波数特性:4 Hz?88 kHz(192 kHzサンプリング)
■入出力端子類●HDMI®出力端子:1系統、USB端子:2系統、映像出力端子:1系統、同軸デジタル出力端子:1系統、アナログ2ch音声出力端子:1系統、LAN端子(10BASE-T/100BASE-TX):1系統
■外形寸法:435mm(W)×58mm(H)×250mm(D)
■質量:2.1kg
■消費電力:20W
■待機時消費電力:0.3W
ここのところ怪奇映画マニアの間で持ち切りなのがハマーの記念すべき吸血鬼映画の第1作目にしてドラキュラ映画の金字塔である『吸血鬼ドラキュラ』(1958)のレストア版。本国イギリスで先日発売されたBlu-ray+DVDの2枚組に、幻とまで言われ続けた日本公開版のフィルムが収められておるわけです。
一応、知らない人のためにも説明しておくと、『吸血鬼ドラキュラ』にはいくつかのバージョンが存在する。当時ホラー映画に対する検閲の厳しかったイギリスやアメリカでは、残酷描写がカットされたものが公開された一方で、それほど検閲が厳しくなかった日本では残酷描写が含まれたものを公開。
具体的には、寝室でミナに噛みつくドラキュラのシーンの一部と、そしてラストでドラキュラが日光を浴びて崩壊するシーンに差異があったらしい。この日本公開版のみに含まれていたシーンのことを、菊池秀行氏や石田一氏がトークショーや執筆書籍で必ずと言ってもいいくらいに言及するものだから、そりゃあ、後追いの俺としては見たくて見たくてしょうがない(笑)
この幻のフィルムは、日本の東京国立近代美術館フィルムセンターが保有していたのだけど、それが1984年の火災で焼失。だから、今現在日本国内で流通している『吸血鬼ドラキュラ』は、米国版のフィルムが元になってる。
がっ!
何とフィルムセンターに保管されていた『吸血鬼ドラキュラ』は焼失したのではなくて、消火の際の放水で失われていたことが判明。しかも、フィルム9巻のうち、6~9巻は熱で変形し傷んだ状態であったものの、存在していることが確認されたっ!その後、2011年にハマー・フィルムがフィルムセンターと交渉したことで、遂に幻とまで言われ続けてきた日本公開版がメディアに収められ手にする日が来たのであるっ!
と、ここまで随分と長い前置き(笑)
さあ。そんなわけでイギリスから取り寄せ早速見た。発見された日本公開版フィルムは6巻からしか現存していなかったため途中からしかない。しかもオリジナルは火災の影響でかなり傷んだ状態。それを丁寧にレストアして、既存の英国版と繋ぎ合わせたのが今回のディスク本編。
もう、日本公開版のフィルムが消失した部分の時からわくわくが止まらない。実は人知れずカッシングの瞬きの回数がちょっと多いんじゃないか、とか、目を皿のようにして食い入るように見る。そして遂に話はクライマックスへ突入し、問題のシーンへ!
でたっ!伝説とまで言われたリーの顔面崩壊シーンは本当にあった!リー自身の顔にラテックスでマスクを施しそれを掻き毟るようにするシーン!時間にしてほんの数秒。知らない人が見たら特に何の感慨も抱かないかもしれない。でもっ!でもっ!俺はこれが見たかったんだっ!
現代のショッキングなホラー映画を知ってしまっている我々からすれば、何故この程度の演出がカットされなくてはならなかったのかと首を捻ってしまうレベル。けど、それが当時のイギリス映画の検閲の厳しさ。
この幻のシーンに感動に打ち震えたけど、実はそれを上回る衝撃を受けたのがもう一つの日本公開版のみに存在したミナに対してドラキュラが迫るシーン。米国版ではリーがメリッサ・ストリブリンに顔を近づけるだけだったのが、まるで官能映画であるかのように互いの顔を舐め回すように交錯させる。このシーンの官能的なこと!
このシーンだけで、もう何度も観返してきた『吸血鬼ドラキュラ』の印象が一変するほどの衝撃だった。そうか、だからメリッサ・ストリブリンだったか、とも納得。彼女は本人のインタビューでは当時19歳、IMDBを信じるなら31歳。まあ、初見の時から「なんじゃこの年増は妙に色気づいた目つきをしおって」なんて思ってたけど、それはこのシーンに繋ぐための布石だったんじゃないかと妙に納得した。
今更、吸血鬼の牙は男根の象徴であり・・・とか、抑圧的なビクトリア朝における官能的な支配と被支配の関係性が・・・なんて小難しいことを並べ立てるつもりもないけど、テレンス・フィッシャーは明らかにそういった理屈を理解した上でドラキュラを官能的な存在として描こうとしていたのは間違いない。それまで、『吸血鬼ドラキュラ』は一級のアクション映画でもある、なんて思ってたけど、実はホラーを題材とした官能映画としての側面の方を強く持ち合わせているんじゃないか、なんて、ここのとこつらつらと考えてたり。
いやー、しかし衝撃的なレストア版!勿論日本語字幕はついてないけど、これはハマー・ファンならずとも手元に置いておくべき価値のある商品ですっ!あ、そうそう。この『吸血鬼ドラキュラ』は勿論輸入盤なので、リージョンコードはBlu-rayが日本と異なるB、DVDは日本と同じ2だけど、どちらも日本のNTSC方式とは異なるPAL方式なので念のため。リージョンフリー等の対応したデッキでないと再生できませんよん。
ドコモドライブネットのイベントで六本木ヒルズにナイト2000(のレプリカ)がやって来る!というニュースを目にしたのがつい先日。ナイトライダーがドストライクな世代の俺としては、見に行かないわけがない。というわけで、六本木までカメラ片手に行ってきた。
場所がヒルズカフェとなっていたので、てっきり室内に展示されてるんだとばっかり思ってたら、なんと屋外に展示されててビックリ。くうぅぅーー!カッコいいっ!!着くと結構写真を撮ってる人もいる。まあ、流石にみんなスマホで撮ってたけど(笑)
▼Read Moreレゴブロックのキャラクター達で映画を再現するレゴの一連のゲームシリーズ。『スター・ウォーズ』はPS2でやるだけでは飽き足らず、PSPの輸入盤も手に入れちゃうくらいドハマリしたわけだけど、最新作は何と『指輪物語』!レゴも好きで『指輪物語』も好きな俺がやらないわけがない(笑)残念ながら国内盤がリリースされていないので、わざわざ輸入盤を取り寄せプレイしてみた。
Lego Lord of the Rings
Warner Bros. Interactive Entertainment
発売日:2012/11/13
販売価格:-
プレイしてビックリしたのは、今回のレゴは喋るってこと。今までのレゴ・シリーズではセリフは一切なくて、感嘆詞と身振り手振りだけで構成されていたんだけど、今回は実写版の台詞を取りこんでいて、映画の台詞をしっかり喋る。これは賛否両論だろうけど、既存のレゴ・シリーズ・ファンとしては映画に引きずられてパロディ要素が若干薄くなったのが不満。逆に映画ファンとしては、かなり忠実に実写版を再現しているので、大満足(笑)
で、内容はどうかというと、もう、さいっこうに面白い!レゴ・シリーズの常として、黙々とブロックを壊してお金集めたり、集めたお金でキャラクターをアンロックしたり。使えるキャラクターは旅の仲間の9人は当然として、全84種類!ロージーやゴクリ、ケレボルンやハルディア、ハマやギャムリング、敵ではサウロンやナズグル、サウロンの口やゴスモグ、更には映画ではカットされてしまったボンバディルやラダガストまで登場。もう、これだけで十分幸せ。
ゲームはホビット庄から始まって、粥村を通り、裂け谷・・・と、映画を完全再現。道中にはサムでなくちゃ火を起こせなかったり、アラゴルンでなきゃ足跡の追跡ができなかったりと、様々な仕掛けが準備されていて、都度操作するキャラクターを切り替えて進むのはレゴ・シリーズのお約束。ただ、収集要素は過去のシリーズよりもちょっと多い印象かな。
勿論、輸入盤なので日本語は収録されていないけど、英語字幕は表示されるし、そもそも映画の見過ぎで台詞が殆ど全部アタマに入ってるから問題なし。劇場公開時の「旅の仲間」は大量の誤訳問題もあったしね。ちなみにPS3は、輸入ゲームも国内版本体で問題なく動く。ただ、海外ソフトは「×」ボタンが決定で「○」ボタンがキャンセルとなることが多いんだけど、同一のゲーム内でその処理をプログラムで処理している場合と本体側に処理を預けている場合があるっぽい。なので、「×」ボタンで決定と画面には表示されているのに、その部分が本体側に処理を預けていたりすると、国内版本体の仕様に則って「○」ボタンで決定と逆転する時がある点だけ注意。
謎解きやアクションも子供でも十分できるレベルなので、『指輪物語』ファンならば、是非やらなきゃですぞっ!ちなみに、携帯機のVITA版もリリースされてるんだけど、こちらは一部ムービーやステージの構成等、内容が結構異なっていたりするのであった(両方買ったんかい 笑)
昨年末から公開されていた『ホビット 思いがけない冒険』を観てきた。勿論これは、『指輪物語』の前作にあたる小説の映画化作品で、監督・スタッフ・キャストは『ロード・オブ・ザ・リング』三部作の面々。
イアン・ホルムの老ビルボとイライジャ・ウッドのフロドが登場する冒頭で気分は一気に指輪の世界へ!そこから60年前に遡って、マーティン・フリーマン演ずる若かりし頃のビルボへ交代。マーティン・フリーマンは雰囲気とかパタパタした挙動とかイアン・ホルムを模写していて、違和感なくすごく良かった。
肝心の13人のドワーフ達もみんな個性的でいい感じ。ただ、トーリン、ちょっとメイクとか体格とか人間っぽすぎない?
イアン・マッケランのガンダルフは前三部作に引き続き安心の存在感。そして、ちゃっかり原作とは異なり登場するガラドリエルとサルーマン!リーの声が聞こえた時には思わず「おぉっ!」って声をあげちゃった。
そんな個性的なキャラクター達の中にあって、抜群の存在感を発揮していたのは、やっぱりゴクリ!もう、なぞかけの時の可愛さといったら!あのまま、映画の最後までずっとなぞかけが続いたとしても、全然許しちゃうくらいの可愛さだった(笑)
さて。キャラクター達は雰囲気バッチリなんだけど、肝心の本編はちょっと全体的にとっちらかってて、何だかまとまりに欠けるような気がした。小粒なエピソードを無理矢理大きく見せて繋いだ感じというか。少ないバターを大きすぎるパンの上になすりつけたというか(笑)
まあ、でも続く二作品の公開も楽しみだし、とりあえず原作をまた読み返そうかなっ。