アダルト・ファンタジーの金字塔、『指輪物語』は何度も読み返していたんだけれど、本作『ホビットの冒険』は中学生の時にはじめて読んだっきり。流石に細かい部分は忘れてしまっているし、ピーター・ジャクソンによる劇場版三部作も無事完結したので、Reader Storeで購入した電子書籍版にて上下巻共に改めて読了。
ホビットの冒険
著者:J.R.R.トールキン
訳者:瀬田 貞二
出版社:岩波書店
発売日:2000/8/18
怪奇幻想・ゴシックに関することからくだらない日記までつらつらと。
アダルト・ファンタジーの金字塔、『指輪物語』は何度も読み返していたんだけれど、本作『ホビットの冒険』は中学生の時にはじめて読んだっきり。流石に細かい部分は忘れてしまっているし、ピーター・ジャクソンによる劇場版三部作も無事完結したので、Reader Storeで購入した電子書籍版にて上下巻共に改めて読了。
ホビットの冒険
著者:J.R.R.トールキン
訳者:瀬田 貞二
出版社:岩波書店
発売日:2000/8/18
『指輪物語』と違って本作は児童小説なので、短くてとても読みやすい。むしろ、一部の漢字がひらがな表記されていたりして、大人だと逆に読みにくかったりするくらい(笑)とは言っても、やっぱりトールキンの創造した世界と物語は、この歳になってもわくわくするし、面白い。
物語はホビット庄に住むビルボの元へ、魔法使いのガンダルフと見知らぬ13人のドワーフ達が突然やってくるところから始まる。ドワーフのトーリン達は、竜に奪われた彼らの故郷と財宝を取り戻す冒険の旅に出ようとしていたが、その旅に「忍びの者」として、ビルボが候補に挙げられていた。ビルボは冒険に巻き込まれる形でハンカチも持たず着の身着のまま袋小路屋敷を飛び出し、ドワーフ達とはなれ山を目指す。
とまあ、あらすじはいたってシンプル。後に『指輪物語』でフロドに引き継がれる「指輪」やつらぬき丸がビルボの所有となる顛末を含みつつ、竜のスマウグや五軍の戦いが語られるので、指輪ファンならば絶対に読んでおかなくてはならない前日談。
今回読み返してみて思ったのは、やっぱりビルボのキャラクターの良さが大きな魅力の一つだということ。フロドの思慮深さ、サムの健気さ、メリーとピピンの朗らかさ、といった要素を全て詰め込まれているのがビルボのように思う。児童向けなせいもあるだろうけど、このビルボの素直なまっすぐさは読んでて気持ちがいいし、魅力的。これはトールキンの人柄なのかなあ?
最後にせっかくなので、自分のための備忘録としてピーター・ジャクソンの『ホビット』三部作と原作の違いを列挙しておこう。
・原作には以下の登場人物達は登場しない。
ガラドリエル、サルーマン、レゴラス、タウリエル
・原作には以下の登場人物は直接は登場しない。
ラダガスト、死人占い師
・原作では五軍の戦いは以下の五軍を指す。
ドワーフ、エルフ、人間、ゴブリン、ワーグ
・原作ではビルボはドワーフ達に手に入れた指輪のことを話している。
・原作では五軍の戦いにおいてビルボは活躍しない。
・原作ではビルボの袋小路屋敷をドワーフ達が訪れた際に、トーリンが下敷きになる(笑)
勿論、それ以外にも尺を伸ばすための細かい変更も色々あったけど、ざっとこんなとこかなあ?