H・P・ラヴクラフト / ラヴクラフト全集 2
自炊したPDFをSony Readerにてあらためて読了。しばらくまたラヴクラフトを読み漁り続けそうな予感。しかし、全集の2巻は傑作揃いで読みごたえがある。
ラヴクラフト全集 2
著者:H・P・ラヴクラフト
訳者:宇野 利泰
出版社:東京創元社
発売日:1976/08/20
[収録作品]
クトゥルフの呼び声
エーリッヒ・ツァンの音楽
チャールズ・ウォードの奇怪な事件
怪奇幻想・ゴシックに関することからくだらない日記までつらつらと。
自炊したPDFをSony Readerにてあらためて読了。しばらくまたラヴクラフトを読み漁り続けそうな予感。しかし、全集の2巻は傑作揃いで読みごたえがある。
ラヴクラフト全集 2
著者:H・P・ラヴクラフト
訳者:宇野 利泰
出版社:東京創元社
発売日:1976/08/20
[収録作品]
クトゥルフの呼び声
エーリッヒ・ツァンの音楽
チャールズ・ウォードの奇怪な事件
■クトゥルフの呼び声
もう、文句なしの傑作でしょう。クトゥルフ神話の聖典。数々の証言や新聞、手記から徐々に恐怖の実態が明かされていく過程が素晴らしい。緻密に計算された構成と、ラヴクラフトの病的なイマジネーションが見事に融合している傑作。いあ!いあ!くとぅるふ ふたぐん!
■エーリッヒ・ツァンの音楽
地図にも見当たらず、その街を知る人すらおらぬ、幻とも現ともつかぬ貧民街オーゼイユ。その一角にある下宿宿の屋根裏部屋で、狂気の音楽を奏でる聾唖のヴィオル弾きの老人。もう、この素晴らしく幽玄的な設定だけでノックアウト。最後の窓に吸い込まれていくツァンの草稿の内容が明かされないのも、余韻を引いていい。
■チャールズ・ウォードの奇怪な事件
ラヴクラフト後期の長編。くどくどしい文体が特徴のラヴクラフトだけど、これは随分と読みやすいんじゃなかろうか。珍しく文体が三人称なせいもあるかも。何度も読み返していると、復活前のジョセフ・カーウィンが結構おまぬけというか、もうちょっと足がつかないように行動してもいいんじゃないか、なんて思っちゃうけど、そんな偏屈者のツッコミをものともしない圧倒的な構成と文体で半ば強引にぐいぐい結末へと引っ張っていく辺りは流石ラヴクラフト。
自炊したPDFをSony Readerにてあらためて読了。もう何度読み返したか分からないし、流石に青春時代に初めて読んだ時ほどの衝撃はないけど、やっぱりラヴクラフトはいい。
ラヴクラフト全集 1
著者:H・P・ラヴクラフト
訳者:大西 尹明
出版社:東京創元社
発売日:1974/12/23
[収録作品]
インスマウスの影
壁の中の鼠
死体安置所にて
闇に囁くもの
■インスマウスの影
ラヴクラフトは青春小説である、なんて考えている自分にとって、この作品は象徴的な位置づけ。男性ならば声変わりをし、背が伸びると共に体格が変わり、髭が生えるようになり・・・といった、第二次成長期に皆が感ずるであろう、自分が自分ではない者に変化してしまうのではないか、という不定形の恐怖がこの小説にはある。流石にこの歳になっちゃうと、半ば諦めみたいな、ありのままの自分を受け入れるだけの年数を重ねてしまっているけど、青春時代の自分はこのインスマウスの影の中に、自己の不安や恐怖を重ねて怯えた。
■壁の中の鼠
一人称形式で進められて、最後に「どどーん!」っていう展開のラヴクラフトの王道パターンな構成。猫が好きだったラヴクラフトらしく、猫の描写が印象的。これは『ネクロノミカン』(1993)のオムニバス一話目としても映画化されてるけど、まあ、この映画は原形留めてないからねえ。
■死体安置所にて
ラヴクラフトにしては珍しく、ブラックユーモアな短編。オチは結構そのまんまで想像の通り。でも、くすっと笑っちゃう(既にこの感覚がおかしいかも)愛すべき短編。
■闇に囁くもの
クトゥルフ神話体系に属する作品群の中でもSF色の強い本作。でも、ラヴクラフトにしては珍しく暗示的な事象の積み重ねと結末で若干物足りなさが残るのも事実。巻末の訳者あとがきにもある通り、これは暗示的な手法でどこまで恐怖を維持させることができるか、というラヴクラフトの小説家としての挑戦なんだろうけど。ああ、そう言えばこれも『ネクロノミカン』(1993)の三話目になってたけど、あまりの脚色の酷さにもう思い出したくもない(笑)
以前に原稿を執筆させてもらったシンコーミュージックから、また連絡があった。前回と同じく、B-PASS別冊Pride Visionの原稿依頼。今回の特集テーマは「吸血鬼的」!!これは、俺がやらずに誰がやる!!(笑)というわけで二つ返事で原稿執筆を請け負った。
▼Read Moreテーマは俺が最も敬愛する俳優、ベラ・ルゴシにする。よし!がんばるぞー!!と思ったはいいけど、なかなか制限文字数に収まらない。気合が入りすぎて書きすぎちゃった(笑)それでも何とか「吸血鬼映画への憧憬」と題した5000文字の原稿を無事入稿。
そして本日Pride Vision 04発売。やっぱり本屋に行ってみる。そしてやっぱり嬉しくて自腹で購入(笑)
とあるツテからB-PASS別冊の原稿執筆の話が舞い込んできた。ゴスロリさん達のお陰で、本来のゴスも多少はニーズが増えた様子。テーマは「魔術的」。編集者さんと打ち合わせをしてみると、やっぱり読者層は10代の少女達。うーん。彼女達が本格的なゴシックの世界に足を踏み入れるかどうかは疑問。けど、ラヴクラフトをテーマに原稿執筆を請け負う。
▼Read More編集者さんは、昔のFool’s Mate的な方向性を希望してるらしい。要は小難しい文体で、と(笑)そこで、毎日会社への行き帰りの電車の中で文章を打っては校正。家に帰ってからまた打っては校正。二足のわらじもまた楽し。無事「青春小説としてのラヴクラフト」と題した5000字の原稿を入稿。
そして本日Pride Vision 02発売。さっそく本屋に行ってみる。あった!!
特集「魔術的」の一発目を飾ってる!!俺の名前が載ってる!!事前にお願いした通り、国書刊行会版ラヴクラフト全集のギーガーの箱絵を挟み怒涛の3ページ!!嬉しさのあまり、編集部からもらえるのに、思わずその場で2冊購入(笑)