貴志祐介 / 十三番目の人格 ISOLA
Reader Storeで購入した電子書籍版にて読了。第3回日本ホラー小説大賞佳作にして、貴志祐介の作家デビュー作。

十三番目の人格 ISOLA
著者:貴志祐介
出版社:角川書店
発売日:1996/4/18
怪奇幻想・ゴシックに関することからくだらない日記までつらつらと。
Reader Storeで購入した電子書籍版にて読了。第3回日本ホラー小説大賞佳作にして、貴志祐介の作家デビュー作。

十三番目の人格 ISOLA
著者:貴志祐介
出版社:角川書店
発売日:1996/4/18
本作はデビュー作なだけあって、やや荒削りな部分もある。主人公の賀茂由香里が現代の日本では決してメジャーな作品とは言い難い『雨月物語』の内容を把握していたり、素人なのに臨床心理士と心理学についての議論を対等に行ったり、風俗店で働いているのにキスすらしたことがなかったり。ちょっと人物設定に不自然さがある。
それでも、多重人格、エンパス、幽体離脱等の要素が散りばめられた物語は読んでて面白い。伏線も破綻することなく回収されるし、構成も秀逸。ただ、ラストはB級ホラー映画的でベタベタなお約束すぎる感じ。これは俺がホラー小説やホラー映画に深く浸りすぎてるからかもしれないけど、ラストのオチは逆に白けちゃった。
全体としては『黒い家』には流石に完成度では劣るものの、それでも十分読み応えのあるホラー小説だった。
ネットでニュースにもなっていた「猫が邪魔する一眼レフ教室」に行ってきた。東京キャットガーディアンの大塚シェルターで開かれる、写真家桐嶋ナオ氏が講師を務める一眼カメラ初心者を対象としたカメラ教室。まあ、俺は歳が歳なだけにカメラ歴はフィルム時代からあるんだけども全部独学だし、猫と遊びたかったので申し込んでみた(笑)
いざ会場に着くと、猫だらけではじまる前からニマニマ。猫達は人に慣れていて、講義を行う机の周りをウロウロしたり、机に乗ってきたりとなかなか楽しい状況(笑)

桐嶋ナオ氏の講義は、ピンホールカメラの話に始まり、二眼カメラや分解した一眼レフを用いてカメラの構造を説明したりと、かなり分かりやすくて面白かった。ISOとシャッタースピードと絞りの関係性の説明も、例え話で感覚的に分かるように話していて、流石はプロ、分かりやすい。


講義の合間には、休憩を兼ねて実際に猫達を撮影できる時間も設けられていて、参加者は皆思い思いの猫達をパシャパシャ。俺もE-M10に12-40mm/F2.8をつけたのとE-PL6に45mm/F1.8の2台を持って行ったので、それぞれでパシャパシャ色々撮影。



会場は天窓から日光がたくさん入ってきて、撮影にはとてもいいい環境。普段ライブハウスやら室内やら夜景やら、暗い状況でばっかり写真を撮ってる俺にとっては何とも新鮮。
講義は4時間半という長さだったけど、全然その時間の長さを感じさせることもなく、猫達もかわいくて飽きずに楽しめた。でも、家に帰ったらやっぱりウチのルビぞうの方が断然かわいいよなー、なんて思ったり(笑)やっぱり自分の飼い猫ちゃんは甘えてくるレベルが違いますよ。ええ。
今年はAuto-Mod結成35周年。まあ、正確にはAuto-Modじゃなかった時代もあるわけだけど。というわけで、今年はオリジナルアルバムの再発とか、ダークキャッスルの第100回目といった企画が目白押し。その中でも大きな目玉の一つとなる「時の葬列 方舟の章 vol.3」に行ってきた。

時の葬列 方舟の章 vol.3
2014.03.21(sat) at 高円寺HIGH
Open 17:30 / Start 18:00
Adv ¥4,000(+D) / Door ¥4,500(+D)
ACT : AUTO-MOD / THE SODOM PROJECT / Z.O.A / DER EISENROST
DJ : Zin-François Angélique (MADAME EDWARDA / Club WALPURGIS)
今回チケットはネットのe-plus経由で買ったら、買ったのが遅かったせいもあって整理番号怒濤の193番。高円寺HIGHの中に入ると、既にフロアぎゅうぎゅう。前回の「時の葬列 方舟の章 vol.2」は大雪のせいでスカスカだったもんだから、気を抜いてた。んー、しまったなあ。ちゃんとAuto-Mod経由でおさえておけば良かった(笑)
とりあえず、壁際でステージの見える所に佇んで、はじまりました、まずはDer Eisenrost!Zeitlich Vergelterでの活動や、『鉄男』(1989)の音楽担当で知られる石川忠氏のバンド。ステージ両脇に設置された、鉄くずで構成されたメタル・パーカッションが異様な雰囲気を醸し出す。演奏が始まると、圧倒的な迫力!うねるような演奏に重なる鉄と鉄がぶつかる強烈な音!まさにジャンク・コラージュ!インダストリアルの元祖ここにあり!とにかく圧巻の演奏だった。目の前で人が鉄を自らの力で叩いて音を出している、という絵の迫力と音の説得力は次元が違うと改めて認識。
ここで、一旦タバコを吸いにフロアから上にあがると、何と階段に座ってフロアに入れずにいた人達が。マジか。こんなに人が来るなんて、「時の葬列」というイベントは特別なんだなあ、としみじみ。
続いて2番手は今宵一夜限りの復活、Z.O.A.!やっぱりZ.O.A.目当てのお客さんが一番多かったように思う。俺はトランス系はあまり詳しくないんだけども、今でも根強いファンがいるというのは流石。ヴォーカルの森川誠一郎氏は上半身ハダカで、絞られた体が物凄く印象的だった。思わず、体脂肪率何%なんだろう?なんて考えちゃう(笑)
で、ここでまたタバコを吸いに上へ。これがまずかった。3番手のThe Sodom Projectでは人が多くてフロアに戻れなくなっちゃった。仕方がないのでAuto-Modの物販ブースにたむろってモニタで観賞。マズイなあ、Auto-Modちゃんと見れるかしら?と不安がよぎる。
The Sodom Projectが終わると、フロアのお客さんが民族大移動を開始。今だ!というわけで、上にあがるお客さん達と入れ違いでフロアへ。DJを務めるMadame EdwardaのZIN様が、The Sisters of MercyのWalk Awayを流す中、タイミングよくステージ前へと滑り込めた。いひひ。
そして、大トリは勿論Auto-Mod。今回は役者陣の参加もさることながら、解散前メンバーにして、Genet/Rock of Romanceの頃はレギュラーでサックスを吹いていた河野のダンナも久々に参戦!個人的には、何よりこれが一番楽しみだった。オープニングは、時の葬列。時の葬列は前回のダークキャッスルでもやっていたけど、サックスが入ると断然いい。音の厚みが違うし、何と言っても曲にツヤが出る。ここ数年のAuto-Modの演奏の中で、今日が一番良く感じた。パフォーマーも交えてのシアトリカルな演出も、ジュネお得意の見世物小屋的ないかがわしさに満ち満ちていて見ごたえ十分。ここに中村亮さんもいてくれたら、ほんと言う事ないんだけどなあ。二度目の聖書燃やしで、ジュネが燃え上がる本を客席に落としそうになった時はのけぞったけど(笑)もう、20年以上ジュネを見続けてきた俺でも大満足なパフォーマンスだった。
アダルト・ファンタジーの金字塔、『指輪物語』は何度も読み返していたんだけれど、本作『ホビットの冒険』は中学生の時にはじめて読んだっきり。流石に細かい部分は忘れてしまっているし、ピーター・ジャクソンによる劇場版三部作も無事完結したので、Reader Storeで購入した電子書籍版にて上下巻共に改めて読了。

ホビットの冒険
著者:J.R.R.トールキン
訳者:瀬田 貞二
出版社:岩波書店
発売日:2000/8/18
『指輪物語』と違って本作は児童小説なので、短くてとても読みやすい。むしろ、一部の漢字がひらがな表記されていたりして、大人だと逆に読みにくかったりするくらい(笑)とは言っても、やっぱりトールキンの創造した世界と物語は、この歳になってもわくわくするし、面白い。
物語はホビット庄に住むビルボの元へ、魔法使いのガンダルフと見知らぬ13人のドワーフ達が突然やってくるところから始まる。ドワーフのトーリン達は、竜に奪われた彼らの故郷と財宝を取り戻す冒険の旅に出ようとしていたが、その旅に「忍びの者」として、ビルボが候補に挙げられていた。ビルボは冒険に巻き込まれる形でハンカチも持たず着の身着のまま袋小路屋敷を飛び出し、ドワーフ達とはなれ山を目指す。
とまあ、あらすじはいたってシンプル。後に『指輪物語』でフロドに引き継がれる「指輪」やつらぬき丸がビルボの所有となる顛末を含みつつ、竜のスマウグや五軍の戦いが語られるので、指輪ファンならば絶対に読んでおかなくてはならない前日談。
今回読み返してみて思ったのは、やっぱりビルボのキャラクターの良さが大きな魅力の一つだということ。フロドの思慮深さ、サムの健気さ、メリーとピピンの朗らかさ、といった要素を全て詰め込まれているのがビルボのように思う。児童向けなせいもあるだろうけど、このビルボの素直なまっすぐさは読んでて気持ちがいいし、魅力的。これはトールキンの人柄なのかなあ?
最後にせっかくなので、自分のための備忘録としてピーター・ジャクソンの『ホビット』三部作と原作の違いを列挙しておこう。
・原作には以下の登場人物達は登場しない。
ガラドリエル、サルーマン、レゴラス、タウリエル
・原作には以下の登場人物は直接は登場しない。
ラダガスト、死人占い師
・原作では五軍の戦いは以下の五軍を指す。
ドワーフ、エルフ、人間、ゴブリン、ワーグ
・原作ではビルボはドワーフ達に手に入れた指輪のことを話している。
・原作では五軍の戦いにおいてビルボは活躍しない。
・原作ではビルボの袋小路屋敷をドワーフ達が訪れた際に、トーリンが下敷きになる(笑)
勿論、それ以外にも尺を伸ばすための細かい変更も色々あったけど、ざっとこんなとこかなあ?
ネットをふらふら彷徨っていたら、こんなDVDに行きあたったので、とりあえず購入してみた。

これは、1982年から1987年にかけてアメリカの”Showtime Networks”で放送された「フェアリーテール・シアター」というTVドラマシリーズ。シェリー・デュヴァルがホストを務めた童話を題材としたオムニバス形式番組で、フランシス・フォード・コッポラやロジェ・バディム、ティム・バートンらが監督、ロビン・ウィリアムズやミック・ジャガーといった各界の著名人が出演している中々豪華な番組。
今回買ったのはその中の第3シーズンで、我らがクリストファー・リーが出演した「こわがることをおぼえようと旅に出た男」というエピソード。主演はピーター・マクニコルなので、リーがでずっぱりというわけではないんだけど、呪いをかけられた城の王の役で出演していて、他にもフランク・ザッパが傴僂男、ヴィンセント・プライスがナレーションというキャスティング。
まあ、童話がベースだし、子供向けのバラエティ番組なので合成も随分とチープ。それでもリーが亡霊役で棺から現れるシーンは流石の迫力だし、その後ごろごろと絨毯に巻き取られてあたふたとするやりとりは観ていて楽しい。
たまにはこういった肩の力を抜いて観るリーもいいね。繰り返しみたりはしないかもだけど(笑)
『ホビットの冒険』三部作、遂に完結!指輪物語の『旅の仲間』から数えれば何と足掛け13年!終わってしまうのが名残惜しくはあるけれど、劇場に観に行ってきた。

前作『竜に奪われた王国』(2013)でエレボールを飛び出したスマウグとバルドの一騎打ちから幕を開け、物語は怒濤の五軍の合戦へ。もう、戦闘、戦闘、また戦闘のオンパレード(笑)でも、意外と疲れずにのめり込んで観れたかな。
物語はもう、クライマックスの連続でただただ圧巻。そもそも児童文学でボリュームがそんなにない原作だから、尺を伸ばすために戦闘シーンで水増ししているわけだけど、そんな裏の事情を微塵も感じさせない迫力。まさに、大スクリーンで観るための「劇場公開作品」といった感じ。
ガラドリエルの奥方はサウロンを吹き飛ばすし、レゴラスは相変わらずトリッキーだし、ダインは豚に乗って現れるし(笑)、ラストはしっかり『旅の仲間』に繋がっていくしで、とにかく大満足。1分1秒でも長く中つ国の世界に浸っていたい俺としては、水増ししてでも三部作にしてくれたことに感謝。
前三部作では戦闘シーンのカメラワークが忙しすぎて何が起こってるのか状況を把握しづらかったり、感動シーンはとりあえず無音にしてスローで撮影、みたいな稚拙な演出が散見されたけど、本三部作では全体的にそういった部分も改善されていたように思う。
スマウグはもうちょっとひっぱっても良かったのになあ、とか、トーリンが自分を取り戻すシーンの唐突さにビックリしたり、「五軍」が原作ではドワーフ、エルフ、人間、ゴブリン、ワーグを指していたのに、ドワーフ、エルフ、人間、ドルグルドゥア、グンダバドって解釈になっていたりという違和感もあったことはあったけど、まずは無事完結したことに感激。
さあ!次は『シルマリルの物語』の映画化をお願いしますよっ!(笑)
2011年から使ってるXperia Rayがそろそろ辛くなってきた。片手で操作できて手のひらにすっぽり収まる大きさは物凄く気に入ってるんだけど、何たってXperia RayのROMの容量は1GB。流石にアプリやデータでパンパンで、ここのとこ定期的にデータを削除して容量を空けないとすぐにパンクするようになってきた。

でも、最近のスマホはでかくなる一方。なかなか変更したい機種もない状況がずっと続いていたものの、そうも言ってられなくなってきたので、仕方なくXperia Z3 Compactに機種変更した。
▼Read Moreこの機種、名称に「Compact」ってついてて確かに最近のスマホの中じゃ小さめではあるけど、Xperia Rayを使っていた俺からすれば、全然コンパクトじゃない(笑)サイズは約111mm×約53mm×約9.4mmから約127㎜×約65㎜×約8.6㎜へと、厚み以外が増加。重さも約100gから約129gにアップ。
でも、その分スペックは飛躍的にあがった。OSはAndroid 2.3からAndroid 4.4へ。CPUはMSM8255 1GHzからMSM8974AC 2.5GHzクアッドコア、RAMは512MBから2GB、ROMは1GBから16GBへ。ううん、時の流れを感じるねえ(笑)回線速度も3GからLTEに変わって爆速になった。
ソフトウェア的な面は当然他のAndroid端末と変わりはなく、ハードウェアキーがなくなってホームボタン等がソフトウェア描画であったり、アプリをSDカードに移動できなくなってたり、Android 4.4の仕様通り。早速ランチャーを変更して、ウィジェットやらアプリやらをインストールして使いやすくカスタマイズ。うん、これでまた数年は快適に使えそうですかね。
2011年に買ったCANONのプリンタ複合機PIXUS MG6230が壊れた。本当は以前にも一回ヘッドの調子がおかしくなって、新しいインクを補充してもインクが出ない症状になってたんだけど、その時は自分で分解してヘッドを掃除。でも、今回はどうにも調子が悪いので、新しくプリンタを買い直すことにした。んー、まだ3年しか使ってないんだけどなあ。もったいない。

買い直すにあたって、今回は複合機はやめることにした。やっぱ複合機はでかすぎる。というわけで同じくCANONの単体プリンタPIXUS iP7230を購入。勿論、Wi-Fi機能つき。
▼Read Moreこのモデルは背面給紙がオミットされていて、ネットではそれ故に評判が悪い。でもまあ、俺は背面給紙は年賀状の時くらいしか使わないし、別に不便は感じないだろうと判断。ただ、それより何よりインクがすぐになくなるのに、詰め替えインクセットが高いの何とかならないのかねえ?インクが本体価格の半額もするという驚異のビジネスモデル、すっげー不満。
とりあえず、無線LANの設定も終わって設置完了。うん、随分とプリンタ回りがすっきりした。後はこれで単体のUSB接続のスキャナを買い足せば、OKかな。
魔人館のKAZさんが主宰するハマー・フィルム研究会。Skypeで石田一さんも参加されている、かなり濃い集まりなのだけど、今回のハマー・フィルム研究会は僭越ながら私が講師と配布テキストの作成を務めさせてもらった。

テーマは「ハマー・フィルムのライヴァルたち」と題して、AIPやアミカス、タイバーンといったハマーと同時代の怪奇映画製作会社の作品達を取り上げることに。アミカスの長編作品『怪奇!二つの顔を持つ男』(1971)と、タイバーンの『ブラッディ/ドクター・ローレンスの悲劇』(1975)、そしてメインはマリオ・バーヴァの『血ぬられた墓標』(1960)と『吸血鬼ドラキュラ』(1958)の比較といった構成。
▼Read More■『怪奇!二つの顔を持つ男』(1971)
オムニバス形式の作品を得意としたアミカスが製作した、長編作品の一つ。ロバート・L・スティーブンソンの「ジキル博士とハイド氏」の翻案作品であり、「ジキル博士/ハイド氏」の名称が「マーロウ博士/ブレイク氏」に変更されている以外は、他の登場人物の名前を含めてほぼ原作小説をなぞってる。
古典怪奇小説の映画化作品はどちらかと言えばハマーが得意とした分野なんだけど、「ジキル博士とハイド氏」に限ってはハマーが製作した『ジキル博士の二つの顔』(1960)と『ジキル博士とハイド嬢』(1971)が共に変化球的なものであるのに対して、アミカスが正統派な作品を製作したのは何とも不思議。
ちなみに、本作は当初3D作品として製作されることが計画されていたものの、撮影途中で変更となり通常の作品となったとのこと。研究室でリーがカメラにバーナーの火を向けたりするのはその名残ですかね。
■『ブラッディ/ドクター・ローレンスの悲劇』(1975)
ハマーの創始者ウィリアム・ハインズの息子でプロデューサーや脚本家として活躍したアンソニー・ハインズ(脚本家としてのペンネームはジョン・エルダー)による脚本がヒドイ(笑)冒頭のミステリー調の展開がパーティーの余興で我々の期待を思いっきりしょっぱなから裏切ってくるあたりとか、物語の核心となるローレンス親子にインドで一体何があったのかという最も重要な部分を明かさずに投げっぱなしジャーマンしてたり。
まあ、この映画の見所は2つしかなくて、一つ目はキャスティング。『フランケンシュタイン恐怖の生体実験』(1969)のピーター・カッシングとヴェロニカ・カールソンのコンビが再び観れること、後に『エイリアン』(1979)や『スペースボール』(1987)で二度も(笑)腹を食い千切られることになる若き日のジョン・ハートが出演してるってこと。
それから二つ目は劇中でカッシングが悲痛な面持ちで「妻は亡くなりました」と語る際の奥さんの写真やスライドは、実際に1971年に亡くなったカッシングの愛妻ヘレンのものであるということ。後はもう、どうでもいい駄作(笑)
■『血ぬられた墓標』(1960)
ハマーの『吸血鬼ドラキュラ』(1958)に対するイタリアからの回答。挑戦状といった方が適切かも?ハマーを強烈に意識し、逆転の構造を取りつつも吸血鬼映画としても一級品の作品に仕上げているところはマリオ・バーヴァの面目躍如。様々な切り口から『吸血鬼ドラキュラ』との比較を行ってみたので、興味のある方は是非ハマー・フィルム研究会のバックナンバーでテキストを購入してみてください(笑)
結構、俺は人前でプレゼンしたりレビューしたりが得意な方なので、とくに緊張もせず楽しくプレゼンターを務めることができたけど、参加された方々は楽しめたかなあ?どうにも、俺の話って堅苦しくなりがちな傾向にあり(笑)
今回の研究会用にKAZさんが『血塗られた墓標』の悪魔の仮面を製作して展示していたりと、いつものことながら濃い一夜でございました。

「本書を読破した者は、必ず一度は精神に異常を来たす」と評される、日本探偵小説における三大奇書の一つ。サブカル方面に興味を持っている人ならば、必ずと言ってもいいほど一度は通過する小説。
最初に読んだのは高校生の時分だったかな。Reader Storeで購入した電子書籍版にて上下巻共に改めて読了。

ドグラ・マグラ
著者:夢野久作
出版社:角川書店
発売日:1976/10/13
でもね、勇気を持って言っちゃおう。俺はこの小説嫌い。っていうか、徹底的に俺の感性と合わないんだなー。そういう意味ではカール・ドライヤーの『ヴァンパイア』(1932)と似ているかもしれない。
誰が正常で、誰がキチガイで、何が現実で、何が妄想か。平衡感覚を失わせる混沌とした展開やどうどうめぐりの螺旋構造自体は発想としてはとても面白いと思う。ドイツ表現主義の傑作映画『カリガリ博士』(1920)的な。でも、読んでる最中はそれが苦痛で堪らない。
じゃあ、読むなよって話なんだけど(笑)それでも、ひょっとしてこの歳になって再読したら、解釈変わるかも?と思って読んでみたものの、やっぱダメだった。多分、俺が理屈っぽすぎるんだろうけど。特に、上巻の中盤から後半にかけての正木博士の全然科学的、論理的じゃなくて論文の体も成していない「論文」と称する駄文とか、チャカポコ音頭のあたりは、回りくどい文体に加えて非論理的で、読んでて苦痛で苦痛でたまらない。
ただ、この『ドグラ・マグラ』の恐ろしいところは、読了後に誰かとその体験や解釈を共有したいと思わせるところ。まあ、そう思わせるのは、単にわけが分からないからっていう部分もあるけど(笑)そういう要素は昨今のインターネットを通じて口コミが拡散していくSNS的なものと相性がいいかもしれない。
ちなみに「本書を読破した者は、必ず一度は精神に異常を来たす」というキャッチコピーはあくまでキャッチコピーなので、本当に精神に異常を来たすわけじゃありません。念のため。その証拠に私は『ドグラ・マグラ』を読了しても、正気を保っているわけで、先ほどから隣の六号室から呼びかけてくる声なんて聞こえていない。アハアハアハアハ。可笑しいな。そんなはずはないじゃないか。「……お兄さま。お兄さま。」…………ブウウ――――――ンンン――――――ンンンン………………。