福岡県に実在する旧犬鳴トンネルを舞台とした2ちゃんねる発祥の都市伝説を『呪怨』(2000)シリーズの清水崇監督が映像化し話題となった『犬鳴村』(2020)をAmazon Prime Videoで観た。
都市伝説系のお化け話は余りに荒唐無稽だったり、子供だまし的なものが多いので、俺はあんまり好きではないから期待していなかった。それでもなお、本作は想像を大きく下回るつまらない映画だった。
▼Read More怪奇幻想・ゴシックに関することからくだらない日記までつらつらと。
福岡県に実在する旧犬鳴トンネルを舞台とした2ちゃんねる発祥の都市伝説を『呪怨』(2000)シリーズの清水崇監督が映像化し話題となった『犬鳴村』(2020)をAmazon Prime Videoで観た。
都市伝説系のお化け話は余りに荒唐無稽だったり、子供だまし的なものが多いので、俺はあんまり好きではないから期待していなかった。それでもなお、本作は想像を大きく下回るつまらない映画だった。
▼Read Moreまず冒頭からして良くない。YouTuberのアッキーナを演ずる大谷凜香の芝居がとても酷くて見ていられないレベル。まあ、彼女は序盤でさくっと死んで退場するので、以降演技の質は飛躍的に向上するのだけど、その一方で恐怖演出はその序盤くらいしか見所がないもんだからホラー映画としてはひどく退屈。
肝心の脚本も、色々詰め込みすぎで取っ散らかり過ぎ。しかも演出も良くない。電話ボックスで溺死する友人達は、呪われる必然性が全くないし、主人公の祖先である成宮健司の霊が物理的に!接触してきて犬鳴村の悲惨な歴史を映写機で見せるなんてナンセンスの極み。霊なんだから脳内に当時の様子を念写で送り込むとかしなさいよ。ラストの犬鳴トンネルでの攻防も、いや、そのまま走れば無事だったでしょ?何で立ち止まって追いつかれるのを待っていたのよとツッコミどころ満載。せめて恐怖に怯えて立ち竦むといった演出を挟まないと。
さらにタイムトラベルを織り込んでいるのも物語の整合性の破綻を招いてしまっている。主人公が過去の犬鳴村から祖母の赤子を助け出したとするならば、そこに至るまでの間の主人公は一体どうやって生まれたのか?中途半端にタイムトラベルを取り込まなかった方が良かったんじゃないかと思う。
とにかくまあ、ヒドイ映画だった。
が…その評価を一変させるのが『犬鳴村 恐怖回避ばーじょん』(2020)。こちらは同作品にアニメーションの犬のスタンプやら効果音、ツッコミの吹き出しやらを加えたおちゃらけ版。犬鳴村の住人達がわらわら襲ってくるシーンではアニメーションの犬が画面をわんわん走り回っていたり、運動会のかけっこの曲が流れだしたり、○○まで後3秒!とかカウントダウンが始まったりとまあ、くだらなくて面白い。
もしや、この恐怖回避バージョンをやるために本編はツッコミどころを多く残したのか?何て思うくらいにゲラゲラ笑って観てしまった。惜しむらくは、恐怖回避演出が序盤から終盤に向けてどんどん手抜きになっていくところ。
『犬鳴村』単品なら星1つ。『犬鳴村 恐怖回避ばーじょん』とセットで観るなら星3つって感じかね。