ひょんなことから商業雑誌の執筆の依頼が舞い込んできた。執筆のテーマはゾンビ映画の神様、ジョージ・A・ロメロ!今年日本でも劇場公開される運びとなった幻の作品『アミューズメント・パーク』(1975)に合わせて、ロメロの全作品レビューやコラムから構成される丸々一冊全部ロメロな本を出版するとのこと。勿論二つ返事で原稿執筆を請け負った。
ジョージ・A・ロメロの世界 映画史を変えたゾンビという発明
出版社:Pヴァイン
発売日:2021/10/06
怪奇幻想・ゴシックに関することからくだらない日記までつらつらと。
ひょんなことから商業雑誌の執筆の依頼が舞い込んできた。執筆のテーマはゾンビ映画の神様、ジョージ・A・ロメロ!今年日本でも劇場公開される運びとなった幻の作品『アミューズメント・パーク』(1975)に合わせて、ロメロの全作品レビューやコラムから構成される丸々一冊全部ロメロな本を出版するとのこと。勿論二つ返事で原稿執筆を請け負った。
ジョージ・A・ロメロの世界 映画史を変えたゾンビという発明
出版社:Pヴァイン
発売日:2021/10/06
今回執筆を請け負ったのは、ロメロ唯一の吸血鬼映画『マーティン』(1977)のレビューと、ロメロ以前の古典ゾンビ映画に関するコラムの2本。俺は映画のコラムを書くアプローチは二種類あると思っていて、一つ目はその映画に関する知識や蘊蓄を中心としたアプローチ、二つ目はその映画を観てどう感じたかという自身の感受性を中心としたアプローチ。今回せっかく2つコラムを受けたので、それぞれでアプローチ方法を変えて書いてみることにした。
御存知の通り俺はクラシックな怪奇映画が大好きなので、まずは古典ゾンビ映画に関するコラムから知識や蘊蓄を中心としたアプローチで書きだした。今回の文字制約は3000字程度とのことだったので、ロメロ以前のゾンビ映画を全て網羅するわけにはいかない。泣く泣く『ホワイト・ゾンビ』(1932)、『生と死の間』(1943)、『吸血ゾンビ』(1966)の3本に焦点を絞ることにした。本当は『ゾンビの反乱』(1936)とか『ブードゥーマン』(1944)とかも取り上げたかったし、それぞれの映画に関してももっと長く書きたかったんだけど、まあ、そこは仕方ない。
そして続いては『マーティン』のコラムを自身の感受性を中心としたアプローチで書きだした。覚悟はしていたものの、これが結構辛い作業だった。映画の長文考察って疲弊する。自分はこの映画をこう受け取った、みたいな自分の感受性を試されているというか、丸肌にされるというか。
しかも怪奇映画の場合、自身が日常生活の中で怯えて生きている、恐怖に感じていることを映画に投影して感じ取っているから、自身の社会や人間に対する恐怖心と向き合うことになって。いい文章、考察にしようとすればするほど、自分の矮小さや惨めさと向き合わなくてはならないというか。
それでも何とか二つとも原稿を書き上げ、本日ジョージ・A・ロメロの世界発売。オールドタイプな俺は本屋さんに行って、現物が並んでいることを確認してしまう(笑)
やっぱり自分の書いた文章が印刷され、製本されて実際の書籍となって書店に並ぶのはテンションがあがる。久々の商業雑誌での執筆だったけど、より歳を重ねて、より闇を重ねた現時点での俺の知識と文章力と心の闇全部をぶつけられたんじゃないかな。