模倣犯 (2002)
宮部みゆきの代表作にしてベストセラー『模倣犯』をケーブルテレビでやっていたので観てみた。基本的に邦画嫌いな俺にしちゃ珍しいけど、原作がとにかく面白かったので番組表で見かけてから、ずっと楽しみにしてた映画。
ところが、事前にネットの評判を見るとこれがまた最悪。原作既読者も未読者も一様に駄作だと切り捨ててる。こりゃ、余り期待はできそうにないな、と覚悟して観た。

怪奇幻想・ゴシックに関することからくだらない日記までつらつらと。
宮部みゆきの代表作にしてベストセラー『模倣犯』をケーブルテレビでやっていたので観てみた。基本的に邦画嫌いな俺にしちゃ珍しいけど、原作がとにかく面白かったので番組表で見かけてから、ずっと楽しみにしてた映画。
ところが、事前にネットの評判を見るとこれがまた最悪。原作既読者も未読者も一様に駄作だと切り捨ててる。こりゃ、余り期待はできそうにないな、と覚悟して観た。
覚悟が足りなかった。いやはや、史上最低の映画監督との呼び声高いエド・ウッド作品と肩を並べるんじゃないかってくらいにひどかった。今までに観た映画の中で間違いなく一番の駄作。もう、あまりにひどくって、一体どこからケチをつけようか迷うくらい。
まずは、キャスティング。ピースを演ずるのはSMAPの中居君。セリフ棒読み。てか役者じゃないじゃん、タレントじゃん。他にも山田花子やら爆笑問題やらPUFFYやら、とっても「豪華」で「不要」なキャスト。もう、こういったタレントを映画に起用するのやめてもらえないかなあ。
続いて演出。過去のシーンはとりあえずセピア色。なんかとっても安易だしセンスが古い。テレビの番組のセットも妙に80年代風。あー、テレビって昔はこんなセットだったよね。クイズダービーとかさ。でも、最近のテレビ番組はもうこんなセット使ってないよ。監督さん、最近テレビ見てる?
さらにはサイバーな演出のつもりか何か知らないけど、事件に呼応して2chライクな掲示板の書き込みと思しき文字列が画面を流れる。おぉー!『マトリックス』(1999)みたいだねっ!サイバーでクレイジーで最高にクールだよっ!・・・んなわきゃない。何というか、生活の隅々にまでIT技術が普及したこのご時世に乗り切れていない年寄りが、無理して「サイバーってこんな感じだよね」って想像で演出した感ありあり。
で、最もヒドイのが脚本。そもそも膨大なボリュームの原作だから、限られた時間の中で描くにはエピソードの取捨選択が必要なのは当たり前。原作と映画は別の作品ってのも分かる。でも、仮にもベストセラー小説の映画化作品と名乗るからには、原作の真髄を失っちゃだめでしょう。
原作が微に入り細を穿って描いた人物達は、皆一様に薄っぺら。原作ほどまで人物描写に時間を割けないのは分かるけど、その割には要らない設定やら登場人物は残してる。もう、何を考えてるのやら。勝手に意味不明な演出を織り交ぜて、DVDの特典で全ての謎は明かされる!ってのもウザい。そんな大した謎じゃないし、ただただ演出意図不明なだけ。あえて言うなら「テメー、一体何考えてこんなクソ映画作ってんだ?」っていう「謎」が知りたい。
そして・・・極めつけはピースのラスト。ネタばれになっちゃうから未見の人はこの先を読まないように。
なんと原作では逮捕されるピースが、テレビ番組収録中に爆発。それも、とってもチープなCGで中居君の顔が花火みたいに「ひゅるひゅるひゅるっ」って天井からのアングルのカメラに向かって飛んでくる。大爆笑。最初、何が起こったように「演出」してるのか全く理解できず。ただ、大爆笑。人間が爆発したというのに、血は飛び散らないし肉片も飛び散らない。シュールだねえ。
いやー、宮部みゆきが試写会の途中で退席したというエピソードは伊達じゃない駄作。ホント観る価値なし。
ちょっと前にケーブルテレビでやった時に録画しておいたのを観た。原作は東野圭吾の『レイクサイド』。小説はかなり舞台劇向きの構成だったので、それがどう映画化されるのか興味があった。
で、観た感想は・・・火曜サスペンスか何かのような陳腐なテレビドラマに成り果てていた。
まず一番イライラしたのは、音声。全然聞き取れない。商業映画だと言うのに、信じられないレベルで音声が拾えてない。部屋の奥で喋れば喋るほど聞こえない。薬師丸ひろ子が部屋の奥でボソボソ喋ってるシーンなんか、何度巻き戻してボリューム最大まで上げても聞こえない。それに加えて、柄本明も滑舌悪すぎで聞き取れない。てか、こんなの金取って人に見せるレベルじゃない。もう、ボリューム上げ下げする度に、何度リモコンをテレビに投げつけそうになったことか。
内容の方もお粗末。大筋は原作をなぞってるのに、原作の真髄がない。細かいけど重要な伏線が何故かカット。その一方でテレビの2時間枠ドラマのラストにありがちな独白大会を追加。脚本家は原作をちゃんと読み込んだのか、とっても疑問。
後、薬師丸ひろ子は未来を予見できる能力を持ってる。なんて舐めきったSF的要素が加えられてたけど、この作品にそんな要素必要?あー、今思い出してもムカムカする(笑)