『機械じかけの小児病棟』をレンタルして観た。スペインのホラー映画ってことは知ってたものの、特に何の予備知識もないままとりあえず再生。うむ、何と言うか、色々と惜しい感じのする映画だった。
▼Read More怪奇幻想・ゴシックに関することからくだらない日記までつらつらと。
『機械じかけの小児病棟』をレンタルして観た。スペインのホラー映画ってことは知ってたものの、特に何の予備知識もないままとりあえず再生。うむ、何と言うか、色々と惜しい感じのする映画だった。
▼Read Moreタイトルから分かる通り、本作は小児病院を舞台としたホラー映画。スパニッシュ・ホラーと聞くと血の気の多いものを連想しちゃうけど、本作はどちらかと言うと日本の怪奇映画のようなじめっとした感触のある映画。演出もほんと終盤になるまで抑え気味。
50年もの間、2階が閉鎖されたままの老朽化著しい病院を舞台に、主人公のエイミーが夜勤看護婦として着任する、とくれば、ホラー映画としての舞台はもう完成したも同然(笑)でも、何か惜しいんだよなあ。抑えた演出はいいんだけど、和製ホラーにあるような情緒溢れる見せ方がイマイチ足りないというか。
もっと閉鎖された2階の病室を序盤からちらちら映して、そこを影がよぎるとか、足音が聞こえてくるとかしてくれても良かったように思う。雨のシーンでは壁をどす黒い水が滴ってくるとか、エレベーターなんて近代的なものじゃなくて、日常と非日常を繋ぐ装置として「階段」を効果的に見せるとか。そういった気の利いた演出が少ないから、中盤までは抑え気味の演出がただただ退屈な印象。
終盤では一転してテンポよく進むし、どんでん返しも捻りが利いてて面白かったけど、肝心のお化けのデザインはちょっと笑いを誘う。『ヘルレイザー』を連想させるようなデザインなわりにはあまり動かないし、佇むだけならもっと和製ホラーな感じでもよかったような。何と言うか、どっちつかず。
でもまあ、「スパニッシュ・ホラー」と言えばポール・ナッシー!なんて連想しちゃう俺にとっては、スペインのホラー映画に対する見方をあらためさせるような映画でした。