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2014/11/30

第七回ハマー・フィルム研究会

魔人館のKAZさんが主宰するハマー・フィルム研究会。Skypeで石田一さんも参加されている、かなり濃い集まりなのだけど、今回のハマー・フィルム研究会は僭越ながら私が講師と配布テキストの作成を務めさせてもらった。

テーマは「ハマー・フィルムのライヴァルたち」と題して、AIPやアミカス、タイバーンといったハマーと同時代の怪奇映画製作会社の作品達を取り上げることに。アミカスの長編作品『怪奇!二つの顔を持つ男』(1971)と、タイバーンの『ブラッディ/ドクター・ローレンスの悲劇』(1975)、そしてメインはマリオ・バーヴァの『血ぬられた墓標』(1960)『吸血鬼ドラキュラ』(1958)の比較といった構成。

■『怪奇!二つの顔を持つ男』(1971)
オムニバス形式の作品を得意としたアミカスが製作した、長編作品の一つ。ロバート・L・スティーブンソンの「ジキル博士とハイド氏」の翻案作品であり、「ジキル博士/ハイド氏」の名称が「マーロウ博士/ブレイク氏」に変更されている以外は、他の登場人物の名前を含めてほぼ原作小説をなぞってる。

古典怪奇小説の映画化作品はどちらかと言えばハマーが得意とした分野なんだけど、「ジキル博士とハイド氏」に限ってはハマーが製作した『ジキル博士の二つの顔』(1960)と『ジキル博士とハイド嬢』(1971)が共に変化球的なものであるのに対して、アミカスが正統派な作品を製作したのは何とも不思議。

ちなみに、本作は当初3D作品として製作されることが計画されていたものの、撮影途中で変更となり通常の作品となったとのこと。研究室でリーがカメラにバーナーの火を向けたりするのはその名残ですかね。

■『ブラッディ/ドクター・ローレンスの悲劇』(1975)
ハマーの創始者ウィリアム・ハインズの息子でプロデューサーや脚本家として活躍したアンソニー・ハインズ(脚本家としてのペンネームはジョン・エルダー)による脚本がヒドイ(笑)冒頭のミステリー調の展開がパーティーの余興で我々の期待を思いっきりしょっぱなから裏切ってくるあたりとか、物語の核心となるローレンス親子にインドで一体何があったのかという最も重要な部分を明かさずに投げっぱなしジャーマンしてたり。

まあ、この映画の見所は2つしかなくて、一つ目はキャスティング。『フランケンシュタイン恐怖の生体実験』(1969)のピーター・カッシングとヴェロニカ・カールソンのコンビが再び観れること、後に『エイリアン』(1979)や『スペースボール』(1987)で二度も(笑)腹を食い千切られることになる若き日のジョン・ハートが出演してるってこと。

それから二つ目は劇中でカッシングが悲痛な面持ちで「妻は亡くなりました」と語る際の奥さんの写真やスライドは、実際に1971年に亡くなったカッシングの愛妻ヘレンのものであるということ。後はもう、どうでもいい駄作(笑)

■『血ぬられた墓標』(1960)
ハマーの『吸血鬼ドラキュラ』(1958)に対するイタリアからの回答。挑戦状といった方が適切かも?ハマーを強烈に意識し、逆転の構造を取りつつも吸血鬼映画としても一級品の作品に仕上げているところはマリオ・バーヴァの面目躍如。様々な切り口から『吸血鬼ドラキュラ』との比較を行ってみたので、興味のある方は是非ハマー・フィルム研究会のバックナンバーでテキストを購入してみてください(笑)

結構、俺は人前でプレゼンしたりレビューしたりが得意な方なので、とくに緊張もせず楽しくプレゼンターを務めることができたけど、参加された方々は楽しめたかなあ?どうにも、俺の話って堅苦しくなりがちな傾向にあり(笑)

今回の研究会用にKAZさんが『血塗られた墓標』の悪魔の仮面を製作して展示していたりと、いつものことながら濃い一夜でございました。

そうそう、ハマー・フィルム研究会で作成しているテキストは、今回俺が作成したテキストや過去のバックナンバーも含めて下記から注文することができますので、興味のある方は是非。

ハマー・フィルム研究会

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